J助っ人の吹っ飛ばし弾「今後に影響出る」 代表OBが指摘する“効果”「相手は怖くなる」

【専門家の目|高萩洋次郎】岡山のルカオが決めた衝撃弾を解説
ファジアーノ岡山は8月17日に行われたJ1リーグ第26節で柏レイソルと対戦し、2-1で勝利した。決勝ゴールを決めたFWルカオは相手GKとの競り合いを制して豪快なゴールを決め大きな反響を呼んでいるが、元日本代表MF高萩洋次郎氏は「チームにとって最高の役割を果たしている」と言及している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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1-0で追加点をなかなか奪えない状況で迎えた後半45分、GKスベンド・ブローダーセンが敵陣へロングフィードが送ると、ルカオが飛び出したGK小島亨介との競り合いを制してボールをキープ。そのまま右足で流し込んで勝利を手繰り寄せた。
このシーンについて「何のためにルカオ選手を入れたというと、こういうゴールが狙える、ルーズボールを入れたときにキープしてもらって時間を使える、守備ではセットプレーで跳ね返せる。3つの役割のうちの1つとして、これがもし得点までいかなくても相手コートで時間を使って最後締めるっていう展開にもできて、点も取れたらいいよねってって出てきて本当に取ったので、チームにとっては最高の役割を果たしている」と絶賛している。
「チームとしてもGKが時間かける方法もあったと思うんですけど、1対1の状況になっているのを見て、GKとルカオ選手の判断でここまでできているっていうのは、判断と意思疎通とチームとしてどうするっていうのがちゃんと伝わっているんじゃないかなと。J1に生き残っていくためにこういうときにどういうプレーをするかっていう、今後のいいヒントになりそうなワンプレーだった気がしますね。相手は負けてても最終ラインのDFをパワープレーで前線に上げるのが怖くなってくるじゃないですか。なので次につながるなって。今後の試合にけっこう影響が出るんじゃないかなと思います」
高萩氏はこの試合の結果だけでなく、昇格組の岡山が今後残りのJ1試合でどう戦い抜いて勝ち点を拾っていくか。また、相手チームを考えさせるなどの影響もあると指摘している。では相手チームからしたらどういう対策をするべきなのか。
「例えば1人、ルカオ選手が出てきたらフィジカルと空中戦に強いサブの選手を入れておくという準備をしないといけなくなったりするんじゃないかなと。もし僕が相手チームのボランチだとしたら、ボランチとセンターバックの間にルカオ選手を置いておきたい。センターバックが1人上がっても2対1で対応する。もし競り負けたとしても、最後のシュートを打たれるところには間に合わうようなポジションを取るかなって思いますね」
1人のためにあらゆる策を練らなければいけないほど、Jでは強力な個を発揮しているルカオ。今後J1のチームはどう対策していくのか、ルカオのプレーだけでなく相手の戦術にも注目が集まる。

高萩洋次郎
高萩洋次郎(たかはぎ・ようじろう)/1986年8月2日生まれ、福島・いわき市出身。高校から広島ユースに入団。2003年4月のJ2湘南戦で、当時のJリーグ最年少記録となる16歳8か月3日で出場を果たした。同11月に17歳でプロ契約。2010年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)でニューヒーロー賞を受賞。12年にはリーグ最多13アシストを記録し、広島の初優勝に貢献。ベストイレブンにも選ばれた。14年シーズン限りで広島退団後はウェスタン・シドニー・ワンダラーズ、FCソウルを経て、17年にFC東京に加入し、中心選手として活躍。その後は栃木SC、アルビレックス新潟シンガポールでプレーし、2025年1月に現役引退。日本代表では3試合に出場。




















