絶体絶命のピンチ阻止「とっさに出た」 “勝たせるプレー”体現の瞬間「一歩、二歩だけでも消える」

浦和の西川周作【写真:産経新聞社】
浦和の西川周作【写真:産経新聞社】

西川のセーブもあり浦和が名古屋に2-1勝利

 浦和レッズは8月16日のJ1第26節、名古屋グランパス戦に2-1で勝利した。相手の決定機を防ぐビッグセーブを見せたGK西川周作は「練習での意識がとっさに出てくれた」と振り返った。

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 まずは浦和が1点を先制して迎えた前半26分、サイドからのクロスの折り返しをゴール前でFWキャスパー・ユンカーにトラップされたところに素早く飛び出すと、良いシュートを打たれる前にボールを弾き出した。その後、浦和は2点目を奪い前半だけで2-0として試合を折り返した。

 後半に入りDF原輝綺の強烈ボレーで1点を許し、2-1とリードが縮まって迎えた後半38分に大ピンチが訪れた。相手のミドルシュートがヒットしなかったことで、かえって良いコースへのスルーパスのようになってFW木村勇大にボールが渡りペナルティーエリア内に切り込まれてしまう。絶体絶命だと思われたゴール正面からのシュートの瞬間、西川が飛び出してくるとボールを右足で弾き出してゴールを救った。そのこぼれ球で二次攻撃も受けたが、MF浅野雄也のシュートを目の前に相手が詰めてくるプレッシャーの中で抑え込んだ。

 西川は木村に切り込まれた瞬間、ゴール前を横切るようにドリブルしてくる相手に対して左前方に、斜め前に距離を詰めた。西川は「僕なりに平行に動かなかったということがセーブにつながったなと。斜め前にステップを踏めたということで、コースがうまく切れた」と話す。そして、元いたサイドへのケアで右足を浮かせずに残していたことが弾き出したプレーにもつながった。慌てて飛び込むようにプレーしてしまえば、ボールはジャンプした足の下を通過してしまう。

 このビッグセーブをトータルして、守護神は「本当に一歩、二歩、前に出るだけでも相手からしたら角度も消えると思いますし、斜めに入って自分としても足を残せればという距離でもあったので、そこはうまく足に当てられたなと思いますし、あそこでポジションチェンジできなければ入っていたと思いますので、練習での意識がとっさに出てくれたんじゃないかなと思います」と振り返った。

 常々、西川が話している「GKがチームを勝たせるプレー」を体現する瞬間になった。この日はナイトゲームとはいえ湿度も高く厳しい環境の中だった。ビッグセーブを見せた試合後だが、「本当に今日は蒸し暑くて、キーパーでも本当に疲労したなというぐらいの試合になったんですけど、フィールドの選手はその倍以上走って頑張ってくれていたので、本当にみんなに感謝です」と、チームメートを称えた。

 この日は浦和が夏休み期間の企画として、夏祭りを連想させるようなイベントを試合前のスタジアムで企画し、4万5000人を超える観衆が集まった。普段以上に子供たちの姿も多かっただけに「今日がキッカケで、また子どもたちが『レッズの試合に行きたいよ』ってお父さん、お母さんに言ってくれたら、もっともっと満員のスタジアムになると思います。そのためには、僕たちが今日みたいに勝つ姿を見せないといけないと思っていた」と、西川は勝利をプレゼントできたことを喜んでいた。

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