異例の前半2人退場…古巣相手に大敗「私自身の采配ミス」 指揮官が悔やんだ“1分間”

川崎フロンターレ監督の長谷部茂利【写真:徳原隆元】
川崎フロンターレ監督の長谷部茂利【写真:徳原隆元】

川崎・長谷部茂利監督にとっては古巣・福岡との一戦だった

 川崎フロンターレは8月9日にJ1リーグ第25節でアビスパ福岡とホームで対戦し、2−5で敗れた。長谷部茂利監督は試合の命運を分けるターニングポイントとなった“1分間”について振り返っている。

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 上位争いに食らいついていきたい立場の川崎は中断期間にFW山田新(セルティック)、DF高井幸大(トッテナム)と攻守の要がチームを去った。それぞれのポジションにクロアチア人DFフィリップ・ウレモヴィッチ、セルビア人FWラザル・ロマニッチと助っ人を補強。加入間もない新戦力のフィット具合も注目ポイントだったが、試合開始15分で試合は想定していない展開へと進んでいった。

 前半4分と早い時間帯に幸先よくリードを奪ったまではよかったが、先発したウレモヴィッチが相手の足首を踏みつける危険なタックルで一発退場となってしまったのだ。2−2で迎えた前半アディショナルタイムにはDFファンウェルメスケルケン際も2度目の警告を受けて退場に。ハーフタイムを迎える前に相手よりも2人少ない状況となった。

 川崎を率いる長谷部監督は試合後の会見で「立ち上がり、思ったような入りができて得点もできた」と先制ゴールまでは試合をうまく運べていたとしたうえで、「退場によってプランが変わり、2人目の退場によってさらに変わった」と急展開の試合を振り返った。

 指揮官に同調するようにキャプテンのMF脇坂泰斗もミックスゾーンでの取材対応で「福岡さんは連戦ですし(天皇杯で)120分戦っていました。自分たちはゲーム間が空いていたので、体力のところで同数だったらアドバンテージはうちにあると思っていました。前からプレスをかけていくほうが相手は嫌だし、自分たちのホームでいい戦いが実際にできていた」と試合の入り方には手応えを示していた。

 しかし、後半24分にMF橘田健人がエリア内で相手を倒してPKを献上。これをFW名古新太郎に決められ、この試合初めて福岡にリードを許した。そこからはダムが決壊したように立て続けに失点し、最終的に2−5で大敗した。

 中盤で精力的なプレーを見せていたMF山本悠樹は、9人になって迎えた後半について「前提として失点しないこと。リードされると展開的に難しくなるし、9人で前から奪いにいくのは難しいので、同点の状態をどれだけ長くできるか」をチームで共通認識として持っていたと話している。その言葉通り、川崎は9人対11人という圧倒的不利な状況でも、20分以上も2−2のスコアを維持する粘りを見せていたが、最後まで耐えきることはできなかった。

 長谷部監督としては古巣相手のよもやの大敗。「今日の鬼門はPKになる前の“1分間”。あの1分間が私自身の采配ミスというか、悔やまれるところ」と勝ち越しのPKを与える直前に命運を分けるターニングポイントがあったと語っていた。続けて「あの1分間に自分自身の力のなさ(を感じた)。悔やんでも悔やみきれない。交代を考えていました。全員に伝わるような伝言をしながら選手を入れて、少し空気を変えるということをすれば、失点という結果は変わっていたと思います」と自らに厳しい言葉を向けていた。

 自分たちのミスから劣勢の展開を招き、手痛い敗戦を喫する結果となった川崎F。次節のアルビレックス新潟戦までに自信を取り戻すことができるだろうか。

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