相次ぐ主力の移籍で「オレがやらなければ」 残留争いで殊勲弾「見といてくれ」

東京VのDF谷口栄斗が横浜FM戦で決勝弾
シーズン途中に起きた主力の大量流出。試合に負ければネガティブになりかねない状況を東京ヴェルディのDF谷口栄斗が、今シーズン初ゴールで救った。昨シーズン、16年ぶりにJ1昇格を果たした東京Vは6位と躍進した。そのチームを最終ラインで支えていたのは谷口とDF千田海人、DF綱島悠斗だったが、前者は鹿島アントラーズへ移籍、後者もベルギー1部アントワープへ新天地を求めた。
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東京Vの最終ラインを支え続ける谷口は8月9日、中断明けの横浜F・マリノスとの大一番でDF宮原和也、DF深澤大輝とコミュニケーションをとり続け、チームの無失点に貢献。後半17分にはMF齋藤功佑のクロスから自身の今季初ゴールで決勝ゴールを決め、攻守に1-0の勝利の立役者となった。
「大事な一戦だったので、すごく気持ちも入っていましたし、チーム全員が気持ちの入ったプレーができていましたし、それが勝ち点3につながってよかったです」と、谷口は胸を張った。
決勝ゴールの場面、谷口はファーポスト際でMF喜田拓也に競り勝つ形で決めた。この試合、前半だけで10本を越えるセットプレーを得た東京Vは、上げるタイミングや入れるボールの質など、工夫を凝らしていた。そのなかでも谷口はハーフタイムにはクロスをアシストする齋藤にファーを狙うように伝えていたという。「狙いとしては、エウベル選手とヤン・マテウス選手に守備をさせるという狙いがあったのですが、『ファーも空いているので見といてくれ』という話をして、それがうまくハマりました。功佑くんに感謝したいです」と、注文通りの絶妙なクロスを入れた8番に感謝した。
18位の横浜FMとの試合に敗れれば、残留争いにも本格的に巻き込まれることになる。しかも、主力が流出した直後の試合となれば、精神的にも大きなダメージを負っていたはず。自身の得点の意義について「今季初ゴールだったんで嬉しかったですね」という谷口は、「より自覚が芽生えた期間だったので、それが結果につながって良かったですし、継続してやっていきたいと思います。チームを勝たせるセンターバックは、セットプレーで流れが悪い時に決められると思うので、そうした選手をより目指したいと思います」と、これまで以上にプレーでチームを引っ張っていく強い決意を述べた。
千田、綱島だけではなくFW木村勇大、MF翁長聖と主力4人が抜ける非常事態。それも見方を変えればチャンスだと、谷口は前を向く。
「外から見れば、ネガティブな印象はあると思いますけれど、城福(浩)さんも言っていましたが、そういったネガティブな雰囲気をパワーに変えられるのが、僕たちのチームだと思います。僕もポジティブに捉えて、より自覚というか、『オレがやらなければいけない』という気持ちが芽生えた期間だったので、それがゴールと無失点につながって良かったです」。再開初戦でヒーローになったDFリーダーの精神をもってチーム全員が残りのリーグ戦を戦うことができれば、降格圏の横浜FMとの勝ち点差を10に広げた東京Vは、主力4人が流出した苦境もきっと乗り越えられるはずだ。




















