日本代表に現れた“二刀流” 闘莉王を彷彿も…逃した3連覇「自分自身に腹立たしい」

DF、FWとしてプレーをした高橋はな(写真右)【写真:徳原隆元】
DF、FWとしてプレーをした高橋はな(写真右)【写真:徳原隆元】

なでしこジャパンの高橋はな「ああいう1回のチャンスを一発で決めきれないと」

 なでしこジャパンは7月16日、韓国で開催されたEAFF E-1サッカー選手権で中国代表と0-0で引き分けた。勝てば3連覇を決められる一戦だったが1点が遠く、最終戦で韓国が勝利したため結果は3位。キャプテンの高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)は「自分自身の実力の無さに腹立たしい」と語った。

【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!

 大雨のなかで行われた一戦。日本、韓国、中国が勝ち点で並んだ場合、当該チームの得点数で日本が不利になる状況だった。「レギュレーションも全員が理解して、勝つしかないと分かっていたので、チームとして勝ちに行きました。そのなかで勝ちきれなかったことは本当に悔しいです」と高橋は肩を落とした。

 CBで先発したが、なんと後半途中からCFへ。終了間際に2度の決定機を迎えたが、枠を捉えられなかった。「ああいう1回のチャンスを一発で決めきれないと、この先、世界で勝つことだったり、自分がなでしこの最前線を張ることは難しいなと思うので、自分自身の実力の無さに腹立たしい」と悔いも残った。

 2022年から浦和でCBのコンビを組んできた石川璃音は、今大会を最後にイングランド1部エヴァートンに移籍する。「璃音と『この試合でいったん離れちゃうね』『すごい寂しいね』とお互い話していたので。でも、すごい楽しかったです」。最強コンビで相手の攻撃を跳ね返したが、最後まで1点が遠かった。

 初戦のチャイニーズ・タイペイ戦ではCFとして先発するなど、二刀流として躍動した高橋。アンダー世代以来の挑戦に、「やり続けていきたいと思いましたし、フォワードで国際試合をやることもそこまでないので、すごく楽しかったですし、自分自身も得るものはたくさんありました」とプレーの幅を広げた。

 気迫を漲らせて最前線に上がっていく姿は、まさに元日本代表CB闘莉王を彷彿とさせた。高橋本人は「いやいや、まだまだなので……」と謙虚に否定したが、「本当にやり続けるだけだなと思っています」と言及。様々な可能性を探っている最中のニルス・ニールセン監督の元、新たな強みになるかもしれない。

 試合後には、「もう願うしかないですね」と話していた高橋。ホテルに戻って各々で韓国戦を見ていたというが、3連覇の望みは絶たれた。悔しい経験を胸に刻んだなでしこジャパン。「ここで感じたものをWEリーグに持ち帰って発揮できるかどうかというのが、自分たちの次の仕事」と力強く前へ踏み出した。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング