J2→J2→J1撃破…なぜ格上に勝てるのか? 指揮官が明かす“ジャイキリ”の3大要因「やりやすい」

J2勢に続きJ1川崎にも勝利…J3相模原の指揮官が語った3つの理由
7月16日に行われた天皇杯3回戦では、各地でジャイアントキリングが起きた。東洋大がJ1のアルビレックス新潟に2-1で勝つと、J2のモンテディオ山形は、J1のガンバ大阪にPK戦の末に競り勝った。また、J3で16位と苦戦が続くSC相模原も、Uvanceとどろきスタジアムで行われたJ1・6位の川崎フロンターレとの一戦を120分間0-0で終え、PK戦の末に3-1で勝利した。
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試合の総括を求められて「疲れました」と苦笑した相模原のシュタルフ悠紀リヒャルト監督は、「前半からPKで勝つまで、選手たちが『今日フロンターレに勝つんだ』というミッションに徹してくれました。フルタイムで一刺しできればもっと良かったのですが、シナリオどおりの前後半を戦ってくれたので、すごく誇りに思っています」と、最後まで身体を張った守備でゴールを割らせなかった選手たちを称賛した。
相模原は天皇杯にて、J2の水戸ホーリーホック、J2のジュビロ磐田、そして今季AFCチャンピオンズリーグエリート決勝まで勝ち上がったJ1の川崎と、上位カテゴリーの3チームに勝利してきた。その一方、今季J3では現在16位と低迷している。
なぜ格上の相手に勝てるのかという質問に対して、シュタルフ監督は3つの理由を挙げた。1つ目は、戦術や技術が高度な上位カテゴリーのクラブは、より対策しやすいことだ。
「上位カテゴリーのチームのほうが整備されています。それぞれフットボールの色、特徴があり、武器がありますが、そういったチームを分析して、ウイークポイントを指していくのは自分の得意なところ」として、J2やJ1の相手はエラーを起こすことが少ないため、対策が練りやすい側面があると続ける。「整備されていればいるほど、プランは練りやすく、噛み合わせやすくなる。そういうチームほどシミュレーションはやりやすい」と振り返った。
2つ目の要因として、J3のレベルが向上し、拮抗していることを挙げた。普段リーグ戦では記者会見も閑散としていると言うが、この日は対戦相手がJ1の川崎だったこともあり、数十人の記者が取材していた。
「ここに集まっている方々がどれだけJ3を見る機会があるか分からないが、J3のレベルがめちゃくちゃ上がっているところも間違いなくある。昨日までE-1選手権をやっていましたが、日本代表の躍進を見ても、日本のフットボールは世界中を探しても同じような国がないくらい、ものすごいスピードで成長しています。それは、国内のJ1、J2、J3にも言えること。私は7年前からJ3で指揮を執っていますが、7年前と今のJ3は全く比べ物にならない。別のスポーツと言えるくらいになっています。だからこそ、J2を独走している水戸、昨季までJ1にいた磐田、ACLE準優勝の川崎を破っても、J3を(上位で)駆け抜けることは簡単ではありません」
サプライズ最後の要因は…「こっちに傾いた」
そして最後の要因として、「もう1つは、我々はこの大会で運が良い」と付け加えた。
「フットボールは運も大事な要素です。『勝負は時の運』と言いますが、今日はPK戦になりました。PK戦までいったら半分は運です。練習はしましたが、磐田戦の時も、水戸戦の時も、運がこっちに傾いたと思っています。J3では最近、運に見放されているので、この運を週末のリーグ戦にもつなげられたらなと思います」
J1の上位クラブ相手にサプライズを起こした相模原にとって、リーグ戦の流れが変わることを願った。
3バックの細かい配置理由など、対川崎戦に向けた戦略的な意図も説明した指揮官。7月20日には、中3日でJ3・14位の栃木SCとのアウェーゲームを迎える。この試合の勝利で弾みをつけ、リーグ戦3試合ぶりとなる勝利を挙げることができるだろうか。




















