川崎監督が静かな怒り…天皇杯でまさかの“ジャイキリ”「積み上げてきたものがこれなのか」

天皇杯3回戦、J1川崎がJ3相模原にPK戦の末敗北
J1・川崎フロンターレは7月16日に行われた天皇杯3回戦のJ3・SC相模原戦で延長まで含めた120分間で得点を挙げることができず、PK戦の末に1-3で敗れて16強進出は果たせなかった。試合後の記者会見で、川崎の長谷部茂利監督は冷静な口調ながらも、「積み上げてきたものがこれなのかという思い」と、静かに怒りを示した。
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120分の間、相手に1点も許さずに1点を取る。PK戦にもちこまれても勝つ。90分間で決着がつかなかった場合、延長戦があり、さらにその先にPK戦もあるレギュレーションの天皇杯を戦ううえで、長谷部監督が求めていたことだ。この日の川崎は守備のタスクは成し遂げたものの、攻撃については達成できず。PK戦の末に敗れ、天皇杯優勝の可能性が消えた。
5月にはアジアの頂点を目指してAFCチャンピオンズリーグエリート決勝を戦ったばかりの川崎が、国内カップ戦で2つ下のカテゴリーに位置する相模原に敗れる波乱が起きた。この結果に長谷部監督は「120分やって得点が取れない。チャンスがあったかもしれませんが、取れていないことが現実に起きた。私自身、積み上げてきたものがこれなのかと、そういう思いです。守備のところはピンチもありましたが、失点しないスタンスは守れました。それは良かった」と言い、PK戦に突入しても勝つことを意識していたと強調する。
「PK合戦になる大会のレギュレーションで、私たちは練習を含めて準備もしていました。勝負事なので緊張だったり、滑ったり、相手GKが素晴らしくて敗れてしまうこともあります。PK戦に行かないようにするのではなく、PK合戦になったとしても勝ち上がるという思いを持っていただけに、非常に残念です」と、肩を落とした。
PK戦では1番手から3番手まで全員が失敗する悪夢のような展開になった。選手たちに練習をさせていたという長谷部監督は「質問があると思うので、先に答えておきますが」と前置きをし、「(PK戦の)キッカーについては、私自身が決めました。私が順番を決めて、指名をしています。責任は……私にあるのかな。そんなふうに自省しています」と、悔しがった。
相手ゴール前の最後の局面におけるプレーの質も、チャンスを作る回数も、物足りなかったと長谷部監督は言う。「両方だと思っています。アタッキングサードに入っていく、またそのチャンスの大きさはもっともっと良くしないといけない。チャンスはあったかもしれませんが、結果は無得点でした。自分は攻撃というのは点を取って終わりだと考えています。なので、取れなかったので終わることができなかった。消化不良のまま、ゲームが終わってしまった。そういうふうに受け止めています」と、改めて昨季までのクラブの持ち味であった攻撃力が発揮できなかったことについて、納得していない様子だった。
(河合 拓 / Taku Kawai)




















