敗退決定後に出番「もどかしさと不甲斐なさ」 後半戦巻き返しへ「またイチからになる」

浦和は10日ほどのオフを経て再始動した
浦和レッズは7月7日に公開練習を実施した。米国で開催中のクラブ・ワールドカップ(W杯)に出場してグループリーグ敗退となった後、10日ほどのオフを経て再始動したが、出場機会の少なかった選手たちにとっても一つの区切りと次へのスタートになっている。
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浦和は米国でリーベルプレート(アルゼンチン)、インテル(イタリア)、モンテレイ(メキシコ)と強豪ぞろいのグループリーグを戦い、3敗で姿を消した。1つの特徴は3試合で10人がスタメン継続だったことであり、第2戦までは交代で使われた5人も同じだった。第3戦でMF大久保智明とFW二田理央が初出場したが、結果的にはピッチに立ったのは18人のみだった。
「大きく捉えると、出場時間を含め我慢の時間が長かった」と振り返ったのは大久保だった。2023年に出場した以前のフォーマットでの大会では主力の1人としてプレーした一方、決定機でシュートを決められなかった場面もあれば、相手選手に踏みつけられた負傷が翌年にも影響する不運もあった。今大会はある種のリベンジを期した大会だったが、「1戦目、2戦目でチャンスがない中で敗退も決まったというところは、もどかしさとか不甲斐なさを自分に対して感じました」という悔しさが残った。
大久保にとっては2021年の天皇杯優勝からつながった大舞台には思い入れもあった。「自分がなかなかレッズでチャンスをもらえない中で、夏前の天皇杯でチャンスをもらえて。そこから始まっていると思っていたし、その時はここまでつながるとは思わなかったんですけど、自分の中でも自分が関わったレッズが一区切りというか、この大会が終わることで、またイチからになるというか、また始まるというか、一回終わってしまったなという少し悲しい気持ちもありました」とも振り返る。紆余曲折ありながらも4年間のストーリーを走り切った1人としては、最後が不完全燃焼だったことへの無念さが残った。
今季に向け横浜FCへの期限付き移籍から復帰したFW髙橋利樹は、ピッチに立つことなく3試合が終わった。前回の23年は、大会直前のゲームで脳震盪があったことで登録メンバーから外れる悔しさを味わった。「その部分に対する特別な思いはあまりなかった」とした髙橋だが、「悔しさが残る」という言葉を残す。
3戦目のモンテレイ戦、最後の交代カードで呼ばれたのが自分でなかった時のことを「あのシチュエーション(0-3で試合が推移)で代えられるのは前線だと思っていて、いつ来てもいい準備をしていたので最初は受け入れられない気持ちがあった。最後に(二田)理央が呼ばれた瞬間は、率直に悔しかったですね」と振り返る。2大会連続で近くて遠いピッチになってしまった髙橋だが、帰国後のリフレッシュ期間を経て「ここで得た経験や悔しさを絶対に忘れないように、成長できる材料にしたい」と前を向いた。
また、下部組織出身で23年のルヴァン杯でニューヒーロー賞を受賞したMF早川隼平もピッチに立つことなく大会を終えた。シーズン前半の状況から出場機会が厳しい見通しはあったが「それを理解した中でも、自分のできる常に100%の準備をしていくことができたと思う」と話す。インテルのプレーなどを目の当たりにしたことについて「良いものを見られたという言葉で済ませていいか分からないですけど、見たことによって今後の基準というか、みんなが見ている世界はああいう世界なんだと思う。そこに現実味が出てきたのは良かったと思う」と話した。
浦和は7月19日にリーグ再開初戦のFC東京戦を戦い、その後はクラブW杯への出場により早いラウンドが免除されていたルヴァン杯と天皇杯の戦いも始まる。大舞台で自分のプレーを表現するチャンスを得られなかった無念さを抱える選手たちの力も3大会を並行して戦う中では必要不可欠になる。そうした選手たちが躍動する姿がどれだけ見られるかは、浦和のシーズン後半を占う要素になると言えるはずだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)




















