6月の米国は「試合に適した場所でない」 相次ぐ中断…名将がクラブW杯を痛烈批判「理解に苦しむ」

チェルシーのマレスカ監督が言及
米国で開催中のクラブ・ワールドカップ(W杯)に出場中のチェルシー(イングランド)のエンツォ・マレスカ監督が、雷雨により中断となったゲームのあとに「おそらく大会を開催するのに適切な場所ではない」と、米国開催に疑問を呈した。英公共放送「BBC」が報じている。
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米ノースカロライナ州シャーロットで行われた決勝トーナメント1回戦でチェルシーはベンフィカ(ポルトガル)と対戦。チェルシーが1-0とリードした後半40分に雷雨による試合中断となり、約2時間後に再開。そして、ベンフィカにPKで追い付かれて延長戦に突入し、最終的にチェルシーが4-1で突破を決めた。
マレスカ監督は試合後に「これはジョークだ。正直に言えば」とコメント。「これはサッカーではない。完全に新しい何かだ、理解に苦しむ。安全上の理由は理解するが、7、8試合も中断されるなら、試合開催に適した場所でないということだろう。試合が中断されるのは、普通のことではない」と、話した。今大会で、いわゆる“ゲリラ雷雨”とでも呼ぶべき季節性の天候による試合中断は5都市で6回発生している。
この長い中断の間、チェルシーの選手たちは交代でエアロバイクに乗るなどコンディションを維持することに努めたが、一方で家族と連絡を取ったり、軽食を取ったりと必ずしも緊張感を維持できる状況でなかったという。
マレスカ監督は、グループリーグ当時のベースキャンプにしていた米ペンシルバニア州フィラデルフィアについて「通常のトレーニングセッションを行うことは“不可能”だった」と語っている。1994年にW杯が米国で開催された際も猛暑が多くの問題を発生させた。欧州の時差に合わせて日中のキックオフ時間に設定されている試合が多いのも当時と同じだが、今大会が32チーム開催で試合数が増加していることから1日に開催しなければならない試合も多く、約30年が経って地球全体の気候変動が起こっていることも状況を悪い方向に変化させている。
来年には代表チームのW杯がカナダ、メキシコとの共催で開催される。同局では「解決策としては2022年にカタールが行ったようにW杯を冬季に移すことも考えられるが、米国やカナダの一部では厳しい寒さも問題となっている」と、南北に広い地域で行われる大会の開催時期を移すことは、違う問題を発生させることも指摘した。
国際サッカー連盟(FIFA)の技術研究グループの責任者、アーセン・ベンゲル氏はマイアミの拠点から試合中断について「最初から最後まで試合の流れを楽しみたいので、(中断が)理想的ではないのは私も同意するが、同時に競技会を運営する際には安全を最優先に考えなければならない」と述べたという。
同局では「FIFAはマレスカ監督のコメントに対する回答を求められている」とした。FIFAにとっては来年のW杯に対する運営などの面でトライアルの側面もあるとされる今大会だが、猛暑と雷雨の問題は大きな影を落としていると言えそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)



















