19歳DFが感じた日本代表の現在地「勝てるんじゃないか」 W杯まで「短いかもしれないですけど」

スペイン戦に出場した古賀塔子【写真:Getty Images】
スペイン戦に出場した古賀塔子【写真:Getty Images】

なでしこジャパンは女王スペインに1-3で完敗

 ニルス・ニールセン監督が率いるなでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間6月27日、スペインでの国際親善試合で世界女王の同国と対戦した。なでしこジャパンDF古賀塔子(フェイエノールト)は、1-3の敗戦に「最後のクオリティーのところでスペインはうまいなと感じた」と悔しさを明かしつつ、2年後のW杯の際には「しっかり突き詰めていけば、スペインに勝てるんじゃないかなと思います」と強い思いを語った。

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 世界女王との一戦は、7月2日に開幕するUEFA欧州女子選手権控えるスペイン女子代表と、オフシーズンの選手が多いなでしこジャパンという状況を踏まえた上でも、力の差を見せつけられる形となった。

 前半30分にショートカウンターを発動させて田中美南が先制点を奪取したところまでは良かった。しかし、スペインのボール保持の前になかなか奪いどころを見つけることができないと、押し込まれる時間が長くなった中で3失点を献上。なでしこジャパンはチャンスこそ作るも、シュートを打たせてもらえず、結果・内容共に完敗と言わざるを得なかった。

 ニールセン監督が就任して以降、変革期にあるなでしこジャパンとしては、いいチャレンジができたことは間違いない。2024年に行われたパリ五輪でのスペイン戦は、先制こそしものの、ほとんどの時間、ボールを保持される展開で自分たちが望んだ戦いをすることができなかった。ただ今回は、スペインを相手にボールを保持することや狙いを持って高い位置でボールを奪う場面も。最終ラインの一角としてプレーした古賀は、「オリンピックで戦った時よりも自分たちのやりたいサッカーが少しは表せたと思う」と確かな手応えを感じている。

 もちろん、上手くいった場面が決して多かったわけではない。センターバック(CB)とサイドバック(SB)でプレーした古賀は、チーム全体でボールを保持しようとする考えの中で、なかなかボールの出しどころを見つけられず。周りとの連係も含め、ビルドアップには明確な課題があることを受け止めている。

「後ろで回すのは2失点目みたいなリスクがありますけど、もっと自信を持って回せる部分は個人的にもっとあったんじゃないかなと思います。相手のCBは高くて速い選手が多い中で、日本人選手が1人で収めるというのは簡単ではない。しっかり後ろから繋いで、選手の距離を縮めて攻撃に進入していくことがもっとできれば、自分たちのサッカーはもっとできるかなと思います」

 守備に関しても同様だ。相手のサイドバックと中盤の選手が高い位置を取ってきたことで、マークの受け渡しがスムーズにできず。上手くスペースを使われてしまった。それは古賀も「中盤から押し出してほしいというのは自分から要求しましたし、CBにももっときてほしいというのを伝えた中で数的不利になる場面が多かった」と理解しているところ。その上で、もしそういう状況になったとしても「あそこでしっかり奪い切れれば、相手のサイドバックが高い位置に入っていたので攻撃にもっとつなげたかなと思います」と“個”で抑えることの重要性にも目を向けている。

 現在はニールセン監督になって試行錯誤をしている段階である。だからこそ、さまざまなトライをするべきだ。古賀は「本当にまだ始まったばかり」としつつ、未来に目を向けた。

「あと2年あるので、もちろん短いかもしれないですけど、合わせるところをしっかり突き詰めていけば、本当にスペインに勝てるんじゃないかなと思います」

 そのためにも「個人的にはCBというポジションが好きですけど、いろんなポジションでトップレベルのプレーができた方がいいと思う。そういうところはもっと意識して、どのポジションでも高いレベルのプレーができるように頑張りたい」と力強く語った古賀。19歳のDFは、チーム、そして自身のさらなる成長を見据えて次なる戦いに挑んでいく。

(林 遼平 / Ryohei Hayashi)



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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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