過密日程に両指揮官苦言 パパス監督が提案…10月、11月を「有効に使わないと難しい」

C大阪のアーサー・パパス監督(左)と浦和のマチェイ・スコルジャ監督【写真:徳原隆元】
C大阪のアーサー・パパス監督(左)と浦和のマチェイ・スコルジャ監督【写真:徳原隆元】

浦和のスコルジャ監督も「バランスを見つけるのが難しい状況だと思います」

 浦和レッズとセレッソ大阪が5月28日に対戦したJ1第22節先行開催のゲームは0-0で引き分けた。試合後には両監督から過密日程に関するコメントが出た。

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 来月開幕のクラブ・ワールドカップ(W杯)に浦和が出場する関係で先行開催となったゲームは、両チームにゴール前のチャンスはあったものの0-0で引き分けた。浦和は2週連続で水曜日にリーグ戦の試合が入り、C大阪は先週の水曜日にルヴァンカップ3回戦を戦っている。そして、来週の水曜日には同杯の16強のプレーオフラウンド第1戦を控えている。

 先週の21日に川崎フロンターレ戦を消化し、中2日で24日に名古屋グランパス戦を迎えていた浦和のマチェイ・スコルジャ監督はその際に「あと1日の休養があれば」とこぼした。スタメンを変更しながら戦うなか、C大阪戦後には「バランスを見つけるのが難しい状況だと思います。可能な限り良いマネジメントをしながら進めないといけないと思います」と話す。

 そのうえで「メディカルスタッフがスタメンを決めるわけではないですが、彼らの意見は大きな影響を持ちます。ここ3試合で獲れた勝ち点は2のみで、取りこぼしの多い良くない時期になってしまいました。いわゆるベストイレブンを常に使い続けることができない状況でもありますが、大きな大会を控えるなかで怪我人を出すわけにもいかず、そこまで厚くない選手層のなかで選手を入れ替えながら戦わなければいけません」と、現状について話した。

 また、ルヴァン杯も含めた過密日程にあるC大阪のアーサー・パパス監督も「日本だけでなく世界中にこのような問題を抱えているチームはあると思う。スタッフも選手も含め、難しいスケジュールのなかで1つ1つこなすのはすごく難しい」と話す。

 そして「アビスパ福岡戦(5月24日)を振り返っても、23日間で7試合というすごく難しいスケジュールだった。セレッソとしての意見だが、世界中で起こっているのも同じことだと思う。給料をもらっているにしても人間であり、すごく難しいし、怪我につながってしまうこともあると思う、本当にね。私は2021年まで日本にいて少し離れていましたけど、10月、11月になると少しスケジュールがゆっくりになると思う。そういうところを有効に使わないと難しいと思う」と、日程についてのコメントを行った。

 パパス監督の話す10月、11月だが、現時点ではルヴァン杯と天皇杯の準決勝以降が組み込まれている。その時点で敗退しているチームにとっては余裕が生まれるかもしれないが、リーグ戦をそこに組み込めるかは難しい。結局のところ、2つのカップ戦の決勝をやっている週末にリーグ戦を入れれば、勝ち残ったチームが消化できないゲームを前後の水曜日などに入れる必要があり、そのカードは直前まで決まらないことになる。これは昨季の横浜F・マリノスでジョン・ハッチンソン監督が訴えたことの1つだが、現実には難しいだろう。

 そして、昨夏は浦和のホームゲームが4試合連続でゲリラ雷雨の影響を受け、2試合がその日のうちに試合を終了させることができずに10月と11月に延期日程として持ち越した。昨今の日本の気候を考慮すれば、シーズン後半の日程に最初から余裕のない状態を作ることはリスクがあると言えるだろう。それは、来年のシーズン移行後も8月に試合を組み込んでいることからあまり変わらないかもしれない。

 今季は浦和のクラブW杯だけでなく、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACL)やACL2、さらには夏に日本代表のE-1選手権によりリーグ戦が中断することでの影響も受ける。しかし、ACLの大会方式や秋春制への変更こそあれ、これは2025年に限ったことではなく、これまでのシーズンにもあった大会だ。

 2023年までの18チームのJ1であれば、今季より各クラブ4試合少なくなる。リーグ戦、2つのカップ戦、国際大会や日本代表活動の中断期間を全て1年間で消化する点で、20チームの構成に無理があることが表面化しているのではないだろうか。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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