初の選手起用「クラブW杯前にチェックしたい」 選手が前回感じた“絶望感”「すごく残ってる」

浦和のマチェイ・スコルジャ監督【写真:Getty Images】
浦和のマチェイ・スコルジャ監督【写真:Getty Images】

浦和は川崎戦でスタメン6人を変更

 浦和レッズはスタメン6人を入れ替えた5月21日のJ1第13節変更日程の川崎フロンターレ戦で、後半アディショナルタイムの同点ゴールにより2-2の引き分け。マチェイ・スコルジャ監督は前線の起用について「クラブ・ワールドカップ(W杯)前にチェックしたいセットアップがありました」と、来月に米国で開幕する大舞台を念頭に置いたものがあったと話した。

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 浦和は17日のFC東京戦からスタメン6人を変更した。中でも4-2-3-1システムの前線4人は総入れ替えとなり、FW髙橋利樹とMF中島翔哉が今季初スタメンになった。両者とも途中出場でもそれほど長いプレータイムを得ていたわけではなかったが、スコルジャ監督は「ストライカーとトップ下に髙橋利樹と中島翔哉を本日は初めて起用しました。髙橋利樹はチアゴ・サンタナに近いタイプだと思いますが、彼がクラブW杯に間に合うかは分かりません。それを考えれば、髙橋利樹の準備も進めるべきだと思いました」と、意図を説明した。

 このゲームはMFサミュエル・グスタフソンが欠場したこともあり、前線へのロングボールが多くなった。左右に流れて攻撃参加した相手サイドバックの背後でボールを受ける高橋のプレーは前半42分に実を結んだ。左サイドの奥で髙橋がキープして味方の攻撃参加を待ち、MF安居海渡も絡んだ後に左45度付近で独特のステップで相手と間合いを取った中島がゴール前へクロス。そこにMF金子拓郎が飛び込み、その動きでGKを惑わせてボールはそのままゴールへ。中島の先制点という形になった。

 スコルジャ監督は、5月に入ってクラブW杯について言及することが増えている。この日の試合後会見でも「クラブW杯は浦和レッズにとっても歴史的な大会であり、唯一無二と言えると思います。新しいフォーマットで開催されるクラブW杯に初めて参加します。大事な大会ですが、シーズンの真ん中に開催される難しさがあります。そしてクラブW杯に向かう道のりの中で非常に重要なJリーグの試合があり、その試合が重要な準備になると思います。例えば、今日の試合がそうです」と話した。

 そして、3試合連続で途中出場の選手がゴールしていることについて「いろいろな側面での発展が加速している印象です。選手の集中力も高まっていると思います。そして、クラブW杯で選手にはスタメンでプレーしたい気持ちがあり、今ここで見せておかないといけないという気持ちがあると思います」と、選手たちへの影響についても話した。

 浦和は2023年にスコルジャ監督の下で、以前までの6大陸王者に開催国王者を加えた7チーム形式でのクラブW杯に出場した。初戦でクラブ・レオン(メキシコ)を破るも、準決勝ではマンチェスター・シティー(イングランド)に力の差を見せつけられた。

 この日の同点ゴールを決めたMF大久保智明は「本当に前回のクラブW杯も、僕の中ではまだまだ記憶に新しいというか、それをまたマチェイさんの下で戦えることは嬉しい。ただ簡単に勝てることはないというところを肌感覚というか、シティとやった時のちょっと絶望した感じというか、すごく残っている」と話す。また、髙橋は直前のゲームでの脳震盪の影響で、サウジアラビアまで帯同した後に大会の登録メンバーから外れる悔しさを味わっていた。

 6月1日の横浜FC戦まで、過密日程で3試合を消化してから浦和は米国へ旅立つ。そのゲームの中でも、勝利を狙うことは前提にして指揮官による「チェックしたいセットアップ」を並べる瞬間は訪れそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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