ラストプレー弾も「満足することはない」 浦和MFがゴール後に見せたクラブの神髄「自然と」

浦和MF大久保智明が川崎戦で同点弾
節目の試合を劇的な同点ゴールで飾った。浦和レッズのMF大久保智明は、5月21日のJ1第13節変更日程、川崎フロンターレ戦で後半アディショナルタイムに得点を奪い、自身のJ1通算100試合出場に花を添えた。
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浦和は1-1の同点の時点で前線の4選手を入れ替え、大久保もピッチに入った。しかし、後半40分に痛恨の失点でビハインドとなり、ゲームの行方が厳しいものになると思われた。それでも3分と表示された後半アディショナルタイムもほぼ終わろうという時間帯、浦和が波状攻撃を見せるとMFマテウス・サヴィオのクロスをFW長倉幹樹が頭でつなぎ、最後は大久保が左足ボレーで押し込んだ。
「身体を流して打たないように、ふかしてしまったり、転げながら打ってしまうことが良くないことが分かっていたので、しっかり耐えられて良かったです」と、枠内に押さえ込んだボールがゴールに吸い込まれる劇的な同点ゴールになった。しかし、大久保は味方と大騒ぎをして喜ぶわけでもなく、すぐにゴール内のボールを持ってキックオフに戻そうとした。「試合も終わってないですし、レッズというクラブは勝ち点1で満足することはないので、自然とボールを取りに行きました」と、その思いを口にした。
このゲームは、大久保にとってJ1通算100試合出場の節目だった。「知り合いの方とか両親から、『今日は90何試合目だよ』とか『100試合はいつかね』って話はずっとされていた」と話し、自身も認識している中でのピッチだったという。勝利を逃した悔しさは残るが、それでも記憶に残る1試合になった。
東京ヴェルディの下部組織から中央大学に進み、2021年に浦和へ加入した。リカルド・ロドリゲス監督、マチェイ・スコルジャ監督、ペア・マティアス・ヘグモ監督、そして再びスコルジャ監督と入れ替わっていく中でも、攻守に戦術的なプレーができ、ボールを運んで距離を稼げるところからも重宝されてきた。昨季に膝を痛めたことにより今季は出遅れ気味のスタートになり、5月に入ってコンスタントに試合に絡むようになってきた。「自分の膝が痛みなくできているのが久々だった」という言葉からも、ようやくコンディションが上がってきた。
そして最大の課題だったフィニッシュワークの部分で結果が出たのは大きい。100試合出場でこれが通算6ゴール目なのは、見せている働きに対して見合う数ではない。スコルジャ監督の信頼も厚いアタッカーの復調は、来月にクラブ・ワールドカップ(W杯)が控える浦和にとっても待たれていたものになった。