指揮官が求めた「守備のスイッチ」 長友&森重を投入した意図 逆転負けで「上回られてしまった」

松橋力蔵監督が試合終盤の采配について説明した
FC東京は5月17日のJ1リーグ第17節で浦和レッズと対戦し、2-3の逆転負けを喫した。2度のリードを追いつかれ、ここまで先制された試合で逆転できていなかった浦和に、今季初となる逆転勝利を献上することになってしまった。
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2度のVARチェックが入ったMF松本泰志の同点ゴールが認められた直後、FC東京は3人の選手交代を行った。後半42分に、DFエンリケ・トレヴィザン、MF遠藤渓太、FW佐藤恵允との交代でDF森重真人、DF長友佑都、FW仲川輝人のベテラン3人がピッチに送り込まれた。経験豊富な3人には、最低でもスコアをそのままに維持すること。できれば勝ち越し点をチームにもたらすことが求められていたが、後半AT3分に逆転ゴールを許してしまった。
この場面もコーナーキック(CK)の流れからだった。DFダニーロ・ホザがペナルティエリア中央でシュートを放ったところ、長友がブロックする。そこからのこぼれ球をMF関根貴大に拾われると、最初のシュートはブロックしたが、こぼれ球を再び回収される。「自分でも驚くほど冷静だった」という関根にクロスを入れられると、松本に胸トラップから逆転ゴールを決められた。
2-2に追いついた埼玉スタジアムは大いに盛り上がっていた。そのなかで許した決勝ゴールについて、FC東京の松橋力蔵監督は「心の中のことは見えませんが、特に焦りを感じていたわけではありません。それでも会場のエネルギーも圧力として少し感じながらというところで、一歩、一手が遅れたのかなとは思います。ただ、会場のボルテージだなんだというのは、何の言い訳にもならない。やれることをしっかりやる。寄せるところはしっかり寄せる。たとえ上げられても、そこでしっかりタイトにつく。そこがしっかりできなければ、どんな戦術を持っていても、守ることはできない。そこをやっぱりしっかり詰めていかないといけない」と、ルーズになった守備に苦言を呈した。
3枚同時交代で森重と長友を入れた理由について「最初はエンリケ選手が難しいというところで、そこで森重選手を1つ(交代しようとした)。それから(2人目の交代となった)遠藤選手もウィングバックから前で得点に絡む大きな仕事をしてくれました。攻撃から前線からの守備、両方をオールマイティにできる安齋(颯馬)選手を1つ前に出すこと。それと相手の右サイドに金子選手が入ってきていたので、対人の強さを持っている長友選手を入れる。彼が入ることによって前線に対してのアプローチだったり、守備のスイッチもギアが上がる可能性がありました。時間はとても遅い時間だったので、そこは状況に応じてというところもありますが、そういうエネルギーをしっかり出せる選手でもあったので。そういう意図で」と説明した。
当初、松橋監督はFW佐藤恵允を残して、FW俵積田晃太を交代させようとしていたという。しかし、交代する直前にスライディングをした佐藤が足をつったことで、俵積田を残す形になった。「そのなかも十分我々のなかで想定できた」という指揮官だが、「対応に少し甘さが出てしまった。そういうところに強みがある選手だと思っていましたが、今回はそこが残念ながら上回られてしまった」と、選手交代がうまくいかなかったことを認めた。
(河合 拓 / Taku Kawai)





















