久保建英は「正真正銘のクラック」 レアル番記者陣が絶賛も…ビッグクラブ移籍に求める「俺はここにいる!」【現地発コラム】

レアル番記者が久保建英の成長を評価した【写真:IMAGO / Pressinphoto】
レアル番記者が久保建英の成長を評価した【写真:IMAGO / Pressinphoto】

久保の成長ぶりを評価するレアル番記者「期待された以上の活躍を見せている」

 レアル・ソシエダは4月1日、5季ぶりの決勝進出および優勝を目指し、サンティアゴ・ベルナベウで行われたコパ・デル・レイ(国王杯)準決勝第2戦でレアル・マドリードと対戦。久保は後半3ゴールに絡む活躍を見せるも、ソシエダは延長戦の末に2戦合計4-5で惜敗し、ベスト4で敗退した。

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 毎度のことながら、レアル・マドリード戦に挑む久保建英はスペイン国内で大きな注目を集める。大手スペイン紙「AS」は今回、試合当日の一面にレアル・マドリードの2大エース、キリアン・ムバッペとヴィニシウス・ジュニオールを、そしてソシエダからはレアル・マドリードが獲得を狙うマルティン・スビメンディと久保を大きく掲載した。

 レアル・マドリードの番記者は通常、レアル・ソシエダの試合を追ってはいない。だが、久保は公式戦出場が一度もなかったものの、レアル・マドリードに通算3季所属していたため、気になる存在であるのは間違いない。

 スペインの大手デジタル紙「OKディアリオ」でレアル・マドリード番記者を務めるイバン・マルティン氏は、久保が同クラブにいた時からその成長ぶりを追っている1人。久保の印象を語ってくれた。

「彼がレアル・マドリードを去ることになったのは多くの競争相手がいたからだし、EU圏外の問題も常に付いて回る。彼はスペインに来てからずっと進化し続けているが、ラ・レアル(ソシエダの愛称)では加入時に期待された以上の活躍を見せている。特に近年大きく成長し、今では正真正銘のクラック(名手)になっている」

 イバン・マルティン記者は今でも十分に実力を発揮していると認めているが、さらに進化できるとも考えている。

「多くの試合で存在感を示し、攻撃面で他との違いを生み出している。でも今のプレーをもっと安定させて毎試合発揮できたら、より大きなクラブに移籍するような未来につながっていくと私は思っている。久保の今後の課題は、“ハイレベルのパフォーマンスを維持する”ことだ」

久保建英について語った「OKディアリオ」紙のイバン・マルティン記者(左)、「バベル」紙のハビエル・ララ記者(右)【写真:高橋智行】
久保建英について語った「OKディアリオ」紙のイバン・マルティン記者(左)、「バベル」紙のハビエル・ララ記者(右)【写真:高橋智行】

少年時代から久保を知るレアル番記者の視点「チームが彼に望むのは…」

 スペインのデジタルスポーツ紙「バベル」でレアル・マドリードの番記者を務めるハビエル・ララ氏は少年時代からの久保を知っており、以前から好印象を持っていた。

「初めて彼を見たのはバルサのカンテラ時代で、ラ・リーガでは珍しいアジア人選手の道を切り開いてきた先駆者だ。スペインに再び挑戦した彼にとって、スター選手がたくさんいるレアル・マドリードは留まるのがとても難しいチームだった。可能性を求めてマジョルカやビジャレアル、ヘタフェにレンタルでプレーしたけど、大きく成長したのはレアル・ソシエダに完全移籍してからだ。加入後すぐチームにフィットしたことで監督の信頼を得ることに成功した。そこからの成長は目覚ましいものがある。若くとも素質がある選手だということを証明して見せたし、特にスピードやドリブルの能力が大きく向上している」

 久保がさらなる飛躍を遂げるために必要な要素については、前出のイバン・マルティン記者と同じ意見を持っており、次のように締めくくった。

「安定性をもっと向上させるべきだ。特に久保はビッグクラブとの対戦で素晴らしいプレーを見せることが多い。でもおそらく、チームが彼に望むのは、リーグ戦で重要なものを懸けて戦う時や欧州カップ戦の出場権を得るための戦いにおいて、安定して優れたパフォーマンスを発揮してくれることだと思う。もっと、『俺はここにいる!』と自己主張し、今以上にボールを受けて、主役を演じることを求めたい」

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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