レアル戦3点関与の久保建英、攻撃以上に評価されたのは… スペイン人記者称賛「大いに助けていた」【現地発コラム】

ヴィニシウスとマッチアップした久保建英【写真:IMAGO / ZUMA Press Wire】
ヴィニシウスとマッチアップした久保建英【写真:IMAGO / ZUMA Press Wire】

レアル戦で3点に絡む活躍を見せた久保建英、現地番記者から高評価

 レアル・ソシエダは4月1日、5季ぶりの決勝進出および優勝を目指し、サンティアゴ・ベルナベウで行われたコパ・デル・レイ(国王杯)準決勝第2戦でレアル・マドリードと戦った。

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 キャリア通算13度目の対戦となった古巣相手に久保は、いつも通り4-3-3の右ウイングでスタート。前半は思うようにプレーできなかったが、後半はスペインに来てからの成長ぶりを存分に披露する。チームの3点目をアシストし、3得点に絡む活躍を見せ、足がつるほど体力を惜しみなく出し切って戦った。
 
 レアル・マドリードの番記者たちは、そのパフォーマンスに驚かされたはずだ。しかし、ソシエダは延長戦の末に4-4(2戦合計4-5)で惜敗し、ベスト4で敗退が決定。レアル・マドリード戦の個人成績は13試合2勝3分8敗、1得点1アシストとなっている。

 レアル・ソシエダで初タイトルを獲得するには至らなかったが、スペインメディアの久保評価は概ね高いものとなった。全国紙「AS」は最高の3点、「マルカ」は2点(最高3点)と採点した。

 クラブの地元紙「ノティシアス・デ・ギプスコア」は、「試合に入るのに大いに苦労したが、最終的には期待どおり、決定的な役割を果たした」と寸評し、8点(最高10点)とここ最近では最も高い評価をつけた。同紙が久保をここまで高評価するのは、1月下旬のラ・リーガ第21節ヘタフェ戦以来である。

 一方、もう1つの地元紙「エル・ディアリオ・バスコ」は及第点とした。「前半は最低の出来だったが、自分を手放したチームに対して能力を示す必要があった。時間の経過とともに調子を上げたが、スター選手とは時折輝くものではなく、常に輝きを見せなければならない」と評し、3点(最高5点)をつけている。

 この試合を取材したスペインの全国紙「エル・パイス」でレアル・マドリードの番記者を務めるダビド・アルバレス記者は、この日の久保をどう見たのか。

「前半、ラ・レアルはあまり攻撃を仕掛ける機会がなく、久保も対峙した左サイドバックのエドゥアルド・カマヴィンガに抑えられ、いいプレーができていなかった。しかし彼は後半に入るとチームに変化を与え、チャンスを作り始めた。右サイドから何度も仕掛けて相手の脅威となり、ゴールチャンスをお膳立てし、決定的な役割を果たす瞬間があった。レアル・マドリードを苦しめた選手の1人だったと思うし、特に最近、突破力やイマジネーションが増していると感じている」

久保建英について語ってくれた「エル・パイス」紙のダビド・アルバレス記者(左)、ウェブメディア「アフィシオン・デポルティーバ」のルベン・ラマ記者(右)【写真:高橋智行】
久保建英について語ってくれた「エル・パイス」紙のダビド・アルバレス記者(左)、ウェブメディア「アフィシオン・デポルティーバ」のルベン・ラマ記者(右)【写真:高橋智行】

スペイン人記者が指摘「攻撃の貢献度は高かったが、私が特に評価したいのは…」

 同様に取材に訪れていたスペインのスポーツウェブメディア「アフィシオン・デポルティーバ」のルベン・ラマ記者は、チームのために身を粉にした久保の献身的な姿勢を称賛した。

「前半はあまりいいパフォーマンスではなかったが、後半は上手く機能したと思う。もちろん攻撃の貢献度は高かったが、私が特に評価したいのは、レアル・マドリードが終盤に追い上げた際、久保が守備陣を大いに助けていたことだ。レアル・ソシエダにとって今日特に重要だったのは、サイドでヴィニシウスに自由を与えないことだった。その点で久保は延長戦まで出場し、試合を通じてチームメイトをしっかりサポートしていたよ」

 ヨーロッパリーグに続いて国王杯も敗退し、残るはラ・リーガのみとなったレアル・ソシエダと久保はこの後、来季の欧州カップ戦出場権獲得という目標を達成するため、今季最後の9試合に全力を尽くすことになる。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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