星稜、森山泰希が延長戦で2発! 前橋育英を下して悲願の初V

 

星稜が河崎監督不在の逆境乗り越えて初V

 

 全国高校サッカー選手権大会決勝が12日、埼玉スタジアムで行われ、星稜(石川)が延長戦の末に4-2で前橋育英(群馬)を下し、悲願の初優勝を果たした。

 46316人の大観衆が駆けつけた高校サッカー界の頂点を決める戦いは、大会史に残るようなシーソーゲームとなった。

 試合は序盤星稜優位で進む。前半2分、ここまで3試合連続ゴールの星稜FW大田賢生(3年)が相手ゴールに迫る。左からのクロスの処理を相手GKがミスした隙を突き、右サイドで右ボレーシュート。惜しくもサイドネットへと流れた。

 そして、同10分に試合が動く。前橋育英の不用意なバックパスを大田がカット。突進するとエリア内で相手GKに足をかけられてファウルをゲット。このPKのチャンスをMF前川優太(3年)がゴール右に冷静に決めて、星陵が先制した。

 その9分後、星陵MF杉原啓太(3年)が右サイドを突破。決定的なシュートを放つもゴール左に逸れる。

 リードを許した前橋育英は前半31分に反撃。FW坂元達裕(3年)が右サイドから左足シュート。これはGKの好セーブに阻まれたが、後半8分に同点に追いつく。前橋育英FW野口竜彦(2年)がGKからのロングボールに反応。相手DFを抑えると巧みに反転しながら左足シュート。右隅に同点弾を決めた。

 後半10分にはMF渡邊凌磨(3年)が左サイドからドリブル突破。スムーズな切り返しでマーカーを翻弄すると、右足で逆転ゴール。上州のタイガー軍団がたった2分間で試合をひっくり返した。

 だが、星稜高はこれで終わらない。後半19分、FW大田がクロスから、DF原田亘(3年)がヘディングで同点弾を決めた。星稜は後半40分、左コーナーキックのチャンスから大田が右足でミドルシュート。バーを叩く惜しい一撃となるなど、終盤は一進一退の攻防となった。

 試合は延長戦に突入。そして延長前半5分、星稜がついにFW森山泰希(3年)の左足シュートで勝ち越しに成功。同後半9分にも森山が強烈なミドルシュートを突き刺し、試合を決めた。

 前回大会は富山第一相手に決勝戦で涙をのんだ星稜高。大会前の12月26日には河崎護監督がサッカー部の合宿先に向かう途中、愛知県内の高速道路で交通事故に巻き込まれて入院。選手権初戦からヘッドコーチの木原力斗氏が代行で指揮を執り、決勝まで戦い抜いた。OBの日本代表FW本田圭佑(ACミラン)も成し遂げられなかった選手権優勝を、指揮官不在という逆境の中、星稜イレブンが達成した。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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