サウジ戦主審は「最後までブレなかった」 一貫した判定を日本代表OB称賛「冷静にできていた」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】日本とサウジアラビアは「クリーンでタフな戦いだった」
森保一監督率いる日本代表が現地時間10月10日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でサウジアラビアと敵地で対戦し、2-0の勝利を収めた。この試合のジャッジを捌いた韓国人のキム・ジョンヒョク主審は激しいコンタクトプレーも流すなど、一貫した判定を見せたなか、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「最初から最後までブレなかった」と称賛している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は9月から始まった最終予選の初戦・中国戦を7-0の大勝スタート。続くバーレーン戦も5-0と快勝した。10月シリーズの初戦は、過去一度も勝利がなかった敵地でのサウジアラビア戦。序盤から互いにボールを持ち一進一退の攻防が続くなかで、激しい競り合いやコンタクトが散見された。しかしキム・ジョンヒョク主審はファウルを取らず流すシーンが目立ち、サウジアラビアのロベルト・マンチーニ監督が第4審に抗議する姿が何度も見られた。
「本当は試合ごとに基準が変わるのは良くないこと」と栗原氏は前置きしつつ、「最初から最後までブレなかった。かといって流すと荒れる場合が多いけど、サウジも日本もクリーンで、タフな戦いだった」と振り返った。
また、「ファウルを取らない基準になると、ラフプレーが増えると思いますけど、強くいけばVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が入って退場とかもあるので、過度なプレーはできない時代。レフェリーの人もVARがあるから冷静に笛を吹くこともできていた」と、現行ルール事情にも触れている。
この試合には5万6238人のサポーターが駆け付け、大アウェーでの一戦となったが、栗原氏は「今日に関してはサウジの観客はアウェーの雰囲気が昔に比べたら減っているような印象があった。アジアカップの時のほうが中東の雰囲気は凄かった」と、ほぼ満員のなかでも、日本や主審へのプレッシャーや影響はなかったのではと指摘している。
日本はバーレーン、サウジアラビアの中東勢とのアウェー戦を消化。残るアウェー戦は来月のインドネシアと中国の2連戦、来年6月のオーストラリア戦の3戦のみとなっている。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。