川崎が安定守備→速攻…大量5Gの訳 日本代表DFら統率された堅守×中盤の“相乗効果”
川崎は5-1で新潟を撃破
川崎フロンターレは9月27日に行われたJ1リーグ第32節で、アルビレックス新潟を5-1の大差で下した。小雨の中始まった試合は前半のPKが大きなターニングポイントとなったなか、主将MF脇坂泰斗も試合後に「リードできて良かった」と安堵の声を漏らした。鬼木達監督は「チームとしてゴールを取れたということが重要。やっぱり点を取らないとゲームは動かせない」と振り返ったホームゲームで、新潟のポゼッションサッカーを打ち破った川崎側からは確かな手応えが表情に現れていた。
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小雨で始まった試合。前半10分過ぎに相手のPK献上を誘ったのも、素早いカウンターからだった。MF河原創が中盤でボールを奪い、一気に左前線のFWマルシーニョへ。縦へ仕掛け相手DF舞行龍ジェームズを颯爽とかわすと、ペナルティーエリア内で飛び出したGK小島亨介と交錯し倒れる。このPKで同14分に先制した川崎が、4分後に脇坂のパスワーク弾で新潟を突き放した。
脇坂は「リードしながらも前線からのプレスを怠ることなく、チーム全体でできた」と試合の出来を語る。小雨が止んだ前半30分以降、それまで川崎のプレスに苦しんでいた新潟もサイドで小野裕二、長倉幹樹らFWを中心に起点を作り一時勢いを取り戻したかに見えたが、終始冷静だったのは川崎のほうだった。
2-0でハーフタイムを迎えると、後半はさらに新潟も川崎のマークを外す工夫を凝らす。スペースを突く持ち運びやポジションチェンジも入れながら試合のペースを奪おうと試みたなか、違いを見せたのは川崎の心臓である脇坂、そして河原の攻守での活躍だった。後半9分の見事な脇坂のフィードは、裏へ抜けたFW山田新に通り相手ペナルティーエリア内で倒される。これはノーファウルで得点につながらなかったが、同18分にエリソンが得点し、その後山田が鬱憤を晴らすかのように2ゴールをマークした。
終盤の失点こそ「ちょっと悔やまれます」と脇坂も話したが、一方で試合を通して佐々木旭、日本代表の高井幸大、セサル・アイダル、三浦颯太の4人の守備陣が前半開始から終始安定感を見せている。その基盤があってこそ今回のカウンターは生きた。さらには自由に動き相手を混乱させた脇坂、「つなぎ、ボール奪取、運動量のところでいろいろカバーしている。チームの中で欠かせない選手」と鬼木監督が絶賛した河原の躍動。山田やエリソンなどFW陣の好調が相乗効果となっている。
川崎はここからAFCチャンピオンズリーグエリート(AFCE)リーグステージ第2節(10月1日)の光州FC戦、J1リーグ第33節のFC町田ゼルビア戦(5日/アウェー)と過密な日程をこなす。そしてルヴァンカッププライムラウンド準決勝第1戦では、再び新潟と対戦予定(10月9日)。ルヴァンカップでの再戦を見据えて指揮官や主将は口数が少なかったが、一層気を引き締めて10月初旬の連戦を乗り切る覚悟にも感じ取れた。
(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)