「フットボール好きに届けたい」 広がりつつある「FOOTART」の世界とは

「FOOTART」が日常のなかにある世界に

 ブラジルから帰国後、2014年6月に初めて鎌倉で個展を開催した。毎年、同時期に開催するようになり、今年で4年目を迎える。また、2015年にはタイで初めて個展を開き、現地の人から嬉しい言葉ももらった。

「言葉は伝わらなくても、作品を見て『ナイス』と言ってくれるタイの人がいた。そこで自信を持って帰ってきた。フットボールは国境を越える。だから世界の人にも見てほしいし、つながっていきたい」

 鎌倉での個展は「毎年続けたい。継続は力なりという言葉を信じて」とJUNさんは言う。そして「今後は関西でも開催してみたいし、いろいろな場所で、沢山のフットボールを愛する人との出会いを大切にしていきたい」と願っている。

 ここまでの道のりで、最も大きな財産は「出会い」だという。現在、FC東京の元日本代表MF石川直宏をはじめ、Fリーガーの中島孝(バルドラール浦安)、女子日本代表フットサル選手・吉林千景(VEEX TOKYO Ladies)といったプレーヤーがJUNさんの活動に共感し、応援してくれている。「FOOTARTIST」の活動を始めたことで、10年以上連絡を取っていなかった昔のフットボール仲間と再会することもあった。「FOOTART」は着実に、日本のサッカー界で広がりつつある。

「こういうことをやっていると、いろんな人に出会える。そこにすごく幸せを感じているから、これを続けることでもっといろんな人に出会いたい。もっと広げたい。もっと日本のフットボール好きの人にこの想いを届けたいし、作品を見てほしい。誕生日プレゼントとか、結婚祝いとか、新築祝いとか、そういうことに『FOOTART』の作品を使ってもらえるような文化を作っていけたらいいなと思っています」

「FOOTART」が、フットボールを愛する人たちの日常のなかにある世界に――。湘南から、日本から、新たな「カルチャー」が生まれようとしている。

◇JUN(FOOTARTIST) 1980年、湘南生まれ。幼少期からプレーヤーとしてFOOTBALLに親しみ、2011年に「FOOTART」(http://www.footart-jun.com/)を立ち上げる。FOOTBALLとARTの融合を掲げ、主に写真作品を通じて夢を追いかけることの大切さを発信。現在は個展での作品発表を中心に創作の幅を広げている。藤沢市アートスペース平成28年度企画展「Art Album 2016 side : B Magic moments」に参加。

【了】

清水友博●文 text by Tomohiro Shimizu

 

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