「フットボール好きに届けたい」 広がりつつある「FOOTART」の世界とは

「FOOTBALL」と「ART」の融合、日本のサッカー界に新たな文化は根付くか

「FOOTART(フットアート)」という世界があることをご存知だろうか。文字通り、「FOOTBALL(フットボール)」と「ART(芸術)」を融合させ、カルチャー(文化)として根付かせたい――。こんな思いを胸に、約6年前に活動を始めた人物がいる。

 今年1月28、29日。「FOOTART」考案者のJUNさんは、神奈川・横須賀市のカフェ「HANG LOOSE」で写真、ポストカード、カレンダー、Tシャツ、バッグ、キータグ、iPhoneケースなどの作品を展示し、販売していた。JUNさんの知り合いを中心に「FOOTART」ファンが訪れ、作品を熱心に眺めるサッカー少年の姿もあった。

「FOOTARTIST」としての活動を始めたのは2011年。幼少期からフットボールに打ち込む「サッカー少年」だったJUNさんは、一方で、湘南育ちであることからサーフィン文化を身近に感じる環境で育った。そのなかで、ある思いをずっと抱いてきたという。

「湘南育ちだと、サーフィンとアートというのは、文化が融合した、確立された世界観があると感じます。サーファーの家に行けば、玄関にちょっとかっこいい写真があったり、ポスターが飾ってある。でも、フットボールの世界には、まだそういう文化は少ないかなと感じていました。自分がそういう世界観を作って、フットボール好きな人に少しでも自分の想いや作品が届いてくれたら嬉しいと思って作品を制作しています。

 自分は、小さい時から『サッカー馬鹿』でした。ずっとサッカーしか知らなかったけど、高校の時の親友がサーファーで、家族もサーフィンをやっている『サーフィン一家』だったんです。その親友の家に行くと、玄関にサーフィンの写真が飾ってあったりとか、ポスターが飾ってあったりとか……。そういうものに対して『かっこいいな』と思っていました。サッカーでは、11人が肩を組んでいる(試合前の)写真とか、選手がシュートしている写真とかしかなかったので、そういうところではない世界を表現したいと思って」

「FOOTART」の写真は、選手がボールを蹴る姿に太陽の光が差し込み、シルエットとして浮かび上がるスタイルが基本だ。また、アクセサリー類は手作りにこだわっているという。

「例えば、今着ているTシャツは、10年後もあるか分からないし、時代を感じるものになってしまう。でも、シルエットなら5年前の写真、10年前の写真であっても時代を感じない。そこに魅力を感じています。影絵のようにストーリーを感じるんです。あと、手作りの文化は、素晴らしいと思っています。物が溢れている世の中だからこそ、手作りの温かさを多くの人に感じてほしいし、伝えたいんです。自分の祖母が手作りが大好きな人で、その思いを今、自分も学ばせてもらって、伝えたいという気持ちが強くあります」

 

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