名将カペッロが分析 ミラン、インテルの復権には少なくとも3年が必要

リーグの弱体化を嘆く

 ロシア代表のファビオ・カペッロ監督が、黄金時代に指揮を執った ACミランと、そのライバルクラブであるインテルの再建には「数年必要」という厳しい見解を示した。衛星放送「スカイ・イタリア」に出演し、語った。
 ドバイで行われた国際サッカーフォーラムに出席したカペッロ氏は、今季セリエAで苦闘の続くミラノの両名門の苦しい現状をこう分析した。
「ミランとインテルの再建はまだまだ長い道のりだ。もしも、これからの3年間に一度もミスを犯すことがなければ、彼らは再び競争力を取り戻すだろう」
 日本代表FW本田圭佑の所属するミランは現在7位。同DF長友佑都の所属するインテルは現在11位。それぞれUEFAチャンピオンズリーグ圏内からは現時点で遠ざかっている。
 カペッロ氏は、両名門が移籍市場の補強や指揮官の人選などで失態を3年間犯さない、という条件付きで競争力を回復できるとしている。
「ローマにはチームとして興味深い側面をいくつも備えている。ユベントスは2、3の修正でチャンピオンズリーグ上位進出も可能となる。彼らは移籍市場での補強をすでに達成しているのだから」
 現在セリエAで圧倒的な二強を形成する首位ユベントス、2位ローマについてはこう語ったが、かつて世界最強リーグとうたわれた母国には重大な弱点が存在するという。
「イタリアのフットボールの本当の問題はタレントが出現してもすぐに国外移籍してしまう。それがリーグ弱体化につながっている」
 そう語るカペッロ氏は、セリエAが欧州屈指の強さを誇っていた90年代にミラン、ローマ、ユベントスで優勝7回を成し遂げた。資金力などで競争力を失ったセリエAの各クラブは、プレミアやドイツ、スペインの強豪からの有望な選手に対するオファーに対抗することは難しい。名将は、優秀な若手とかつてのような世界屈指の名手の不在が生み出す、リーグの空洞化を嘆いた。ミラン、インテルが欧州CLを席巻するまでには、まだまだ時間が必要なのかもしれない。

【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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