神戸戦に向けインテル・マイアミが来日中

「全世界で最も有名な選手は誰か？」と尋ねられた際、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシの名前を挙げる人が大半なのではないだろうか。そんな世界的スーパースターが昨夏にインテル・マイアミに加入したことで、MLS（米メジャーリーグサッカー）の熱量も一気に加熱したことに違いない。一方、野球においては今冬ドジャースに加入した大谷翔平が長年にわたってメジャーリーグを席巻しているが、果たしてアメリカ国内ではメッシと大谷のどちらが人気なのだろうか？

　MLSのインテル・マイアミは2月6日、翌日に控えるヴィッセル神戸との親善試合に向け、千葉県内で公開練習を実施した。急遽公開が冒頭15分間のみとなったことで、取材に訪れていた記者陣は早々の撤退を余儀なくされたなか、現地に訪れていた米メディア「THE ATHLETIC」のパウル・テノリオ記者と会話していた際に、「大谷とメッシでは、実際にアメリカ国内だとどちらのほうが人気なのか？」と尋ねると、しばらく考え込んだあとに語り始めた。

「世界的に見れば、間違いなくメッシだ。キャリアも長いしね。ただ、アメリカに絞るなら、いまやオオタニは壮大で重要な象徴となった。全アスリートの中でも、メッシを凌ぐかもしれないのはオオタニ、ただ1人だ。唯一の比較対象と言えるだろう。オオタニとの契約が、各球団にどれほどブランド力をもたらすかを、我々アメリカ人は目の当たりにした。ドジャースが長い歴史を誇っているのは日本人もご存知だろうが、オオタニの加入が、さらなる特別なステージへと導くだろう」

　テノリオ記者は、全世界に普及しているサッカーの特性を踏まえると、世界的な人気度でメッシに比肩する存在はいないとしつつ、野球が国民的スポーツであるアメリカ国内においては大谷が突出した存在となりつつあると見解を述べていた。

　そのうえで、「メッシもオオタニと似たような役割を担っている。メッシがそこにいるだけで、MLSとインテル・マイアミのネームバリューは高まっていく。それほどの影響を及ぼすアスリートは、世界中を見渡してもほとんどいない。オオタニを除いてね」と、メッシと大谷という両雄の、特例とも言える存在感を強調していた。