森保ジャパン、アジア杯「最新序列」考察 毎熊以外の気迫感じた台頭選手は?【現地発】

日本代表の最新序列を考察【写真:ロイター】
日本代表の最新序列を考察【写真:ロイター】

アジア杯で評価を上げた「最新序列」に注目

 森保一監督率いる日本代表は、2月3日にカタール・ドーハで行われているアジアカップの準々決勝を戦い、イラン代表に1-2で敗れた。3大会ぶり5度目の優勝を目指していた中で、まさかの8強敗退。あまりに早い幕引きとなった。大会を通してアピールに成功した選手もいたなかで「最新序列」に注目。アジア杯を受けて、森保監督の評価を上げたと考えられる選手は「↑」を付けた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

   ◇   ◇   ◇   

<GK>
◎鈴木彩艶(シント=トロイデン)
〇大迫敬介(サンフレッチェ広島)
△前川黛也(ヴィッセル神戸)
△野澤大志ブランドン(FC東京)
△シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)
△中村航輔(ポルティモネンセ)
△谷 晃生(ガンバ大阪)
△小島亨介(アルビレックス新潟)
※◎=主軸候補、〇=準レギュラー候補、△=その他検討候補

 アジア杯全5試合に出場の鈴木彩艶。もちろん、これからの守護神候補として大きな経験を積んだことになる。だが、今回のアジア杯を通してポジションを確約したとは言い難い。今回は負傷のため招集できなかった大迫敬介がシーズンを通して安定した活躍を見せれば、ここから逆転する余地もあるだろう。パリ五輪世代の鈴木か、東京五輪世代として牽引した大迫か。守護神争いの終止符はまだ先になりそうだ。

<DF>
◎冨安健洋(アーセナル)
◎板倉 滉(ボルシアMG)
〇菅原由勢(AZアルクマール)
〇毎熊晟矢(セレッソ大阪)↑
〇中山雄太(ハダースフィールド・タウン)
〇伊藤洋輝(シュツットガルト)
〇谷口彰悟(アル・ラーヤン)
〇町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)
△渡辺 剛(ヘント)
△橋岡大樹(シント=トロイデン)
△森下龍矢(名古屋グランパス)
△相馬勇紀(カーザ・ピアAC)
△酒井宏樹(浦和レッズ)
△瀬古歩夢(グラスホッパー)
△バングーナガンデ佳史扶(FC東京)
△山根視来(川崎フロンターレ)
△半田 陸(ガンバ大阪)
△角田涼太朗(横浜F・マリノス)
△藤井陽也(名古屋グランパス)
※◎=主軸候補、〇=準レギュラー候補、△=その他検討候補

 大会通して象徴的な株の上げ方をしたのは毎熊晟矢。昨年9月の初招集以降、デビュー戦からずっと安定したパフォーマンスで菅原由勢とポジション争いを繰り広げてきた。第2次政権、絶対的な存在として君臨してきた菅原だが、今大会はアジア対策に苦戦して、持ち味のダイナミックなプレーができず。右サイドバック(SB)争いは振り出しに戻ったと言えるだろう。今後、毎熊が海外へ挑戦し、より高いレベルで主力として活躍できればさらに序列を上げることも可能だろう。また左SB争いも振り出しか。伊藤洋輝、中山雄太ともに及第点というところ。大会でアピールに成功したとは言い難い。

 センターバックは冨安健洋の相棒、板倉滉がイラン戦でミスを連発。だが、この1試合ですべてがひっくり返るわけではない。大会開幕当初からの板倉のコンディションの悪さはパフォーマンスに大きく影響したものの、2人の「世界トップクラスのコンビになる」という目標は揺らがないはず。終わったアジア杯はもう戻ってこない。これから先、北中米ワールドカップに向けて糧にするだけだ。

インサイドハーフで躍動した旗手怜央【写真:ロイター】
インサイドハーフで躍動した旗手怜央【写真:ロイター】

気持ちを感じた旗手怜央…“伊東純也ショック”も右サイドは好連係

<MF>
◎遠藤 航(リバプール)
◎三笘 薫(ブライトン)
◎守田英正(スポルティング)
◎久保建英(レアル・ソシエダ)
◎堂安 律(フライブルク)↑
〇中村敬斗(スタッド・ランス)
〇旗手怜央(セルティック)↑
〇南野拓実(ASモナコ)
〇前田大然(セルティック)
〇田中 碧(デュッセルドルフ)
〇佐野海舟(鹿島アントラーズ)
〇鎌田大地(ラツィオ)
〇伊東純也(スタッド・ランス)
△伊藤敦樹(浦和レッズ)
△川辺 駿(スタンダール・リエージュ)
△西村拓真(横浜F・マリノス)
△奥抜侃志(ニュルンベルク)
△相馬勇紀(カーザ・ピアAC)
△瀬古歩夢(グラスホッパー)
△川﨑颯太(京都サンガF.C.)
△川村拓夢(サンフレッチェ広島)
※◎=主軸候補、〇=準レギュラー候補、△=その他検討候補

 大会通して準レギュラー候補から主軸に序列アップしたのは堂安律。伊東純也に関しては、問題が解決するまで招集の道も閉ざされることだろう。一方、右サイドで新たな生命線となりそうなのが、久保建英、堂安と毎熊のトリオ。1トップ上田綺世を含めて、“戦術・伊東純也”の穴を埋める創造性豊かなコンビネーションが見られた。

 中盤、遠藤航と守田英正のコンビはこれまでのような安定感がなかった。そのなかで台頭したのが旗手怜央。招集時には“スポット使い”が多いかと思っていたが、練習からかなり積極的に周囲とコミュニケーションを取り、ピッチレベルでもディスカッションを繰り広げていた。練習中にインサイドハーフ経験者の南野拓実に質問しに行くなど、その姿は森保監督にも響いたことだろう。2試合連続での先発、驚異的な運動量での顔出しは気持ちを感じさせるプレーだった。

上田綺世が1トップ争いでリードか【写真:ロイター】
上田綺世が1トップ争いでリードか【写真:ロイター】

過熱するFW争いの行方は?

<FW>
◎上田綺世(フェイエノールト)↑
〇浅野拓磨(ボーフム)
〇古橋亨梧(セルティック)
〇前田大然(セルティック)↑
△細谷真大(柏レイソル)
△町野修斗(ホルシュタイン・キール)
※◎=主軸候補、〇=準レギュラー候補、△=その他検討候補

 大会4ゴールの上田綺世は起用法が信頼の表れ。一方で浅野拓磨、細谷真大はアピール不足となり、エース争いでリードを広げられたといっていいだろう。そのなかで前田大然は期待に応える“鬼プレス”を炸裂。イラン戦の敗因は前田がベンチに下がったことが大きい。前線からの守備がハマればうしろも助かる。今回は相手のサイドバック対策で左サイドでの起用だったが、1トップの可能性も大いに残る。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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