イラク戦黒星は「波乱」 中国識者が「日本がダメだと結論づけるのは早い」と語る理由は?

遠藤航がコーナーキックから1点を返した【写真:ロイター】
遠藤航がコーナーキックから1点を返した【写真:ロイター】

イラクは「如何なる強い相手にも勝てることを示してくれた」と評価

 日本代表は1月19日、カタールで開催されているアジアカップのグループリーグ第2戦でイラク代表と対戦。前半で2失点する苦しい展開になり、後半アディショナルタイムにMF遠藤航が1点を返すも、1-2で敗れた。

 今大会の優勝候補筆頭とされる日本がグループリーグで早くも黒星を喫したことに、アジア各国は「今大会最初の大波乱だ」と驚きを持って受け止めた。

 中国で著名なキャスター・詹俊(ザン・ジュン)氏も「今大会最大の波乱だ。日本はワールドカップ(W杯)グループリーグ同様、初戦勝利後の油断が見えた。右サイドの守備が甘く、GKのミスも重なった」と指摘。「イラクはロスタイムのGKの判断ミスを除けばほぼ完ぺき、日本の強みを抑え、身体の強さ、技術、戦術も見事だ」と絶賛した。

 一方で、著名ジャーナリストの潘偉力(パン・ウェイリー)氏は、「日本が負けたのは波乱だが、だからといって日本がダメだと結論づけるのは早い。早い段階で問題点を露呈することが長期的結果につながることもある。例えば2010年南アフリカW杯のスペイン、2022年カタールW杯のアルゼンチン(ともにグループリーグで敗戦後、最終的に優勝)のように」と分析。また、日本がグループリーグ2位通過の可能性が高まったことで「(決勝トーナメント1回戦で対戦する)グループEの韓国を含めた各国は、本気でグループ1位を狙うかどうか姿勢が問われる。誰もこんな早く日本と対戦したくないだろう?」との見方を示した。

 中国国営放送「CCTV」の中継で解説を務めたのは、中国代表OBの于海(ユー・ハイ)氏。現役時代はオランダリーグでプレーしてアジアカップにも2度出場したユー・ハイ氏は試合後興奮気味に、「イラクの試合は、中国にとってはいいお手本だ。精神面、技術戦術面ともに参考にしなくてはならない。メンタルを保てれば、如何なる強い相手にも勝てることをイラクは示してくれた」とまとめた。

 中国代表はグループリーグ2試合で、0得点0失点の2ドローと苦戦。最終戦で前回王者カタールとの対戦を控えており、悲観論が大半を占めている。だが、多くのファンは「イラクが日本に勝ったなら我々もやれる!」と勇気づけられたようだ。

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