森保ジャパン、ベトナム戦で“飛車角落ち”大胆起用を「深読み」 パリ世代の抜擢も【現地発】

ベトナム戦のスタメンはどうなる?【写真:徳原隆元】
ベトナム戦のスタメンはどうなる?【写真:徳原隆元】

14日にグループリーグ初戦を迎えるが三笘の欠場は決定

 森保一監督率いる日本代表は1月14日、カタール・ドーハで行われるアジアカップ初戦に臨む。指揮官は前日13日の公式会見でMF三笘薫の欠場を明言。MF久保建英、MF遠藤航、DF冨安健洋の主力もコンディションを調整中と見られ、主力を欠いたなかでかつて日本代表を率いたフィリップ・トルシエ監督が指揮を執るベトナムと対戦する。1トップはパリ五輪世代のFW細谷真大の可能性が浮上。思い切った森保采配の“深読み”をする。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 アジア杯の初戦。カギを握るのはやはり先制点だろう。強豪ドイツやトルコ、カナダなどを破って現在9連勝中の森保ジャパンだが、三笘、久保、遠藤、冨安が初戦を回避すると見られる。ここで1トップ起用の期待が懸かるのが細谷だ。FW上田綺世とFW浅野拓磨は昨年末にコンディション調整のため別メニューだった。ドーハ入り後も上田は状態について「まだまだ」と話しており、無理をさせない可能性がある。

 このチャンスをものにできるか。E-1選手権に1度選出され、昨年11月に海外組も含めた“フル代表”に追加招集。国際Aマッチ4試合の出場という経験の浅いパリ五輪世代のエースだ。

 昨年11月の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選シリア戦で初ゴールをマーク。柏レイソルの先輩MF伊東純也のクロスを決めた。アジア相手にゴールを量産することで数字だけでなく、自信も手に入れることができる。

 22歳のパリ五輪世代。すでにA代表で主力の久保を除けば、パリ五輪世代はまだまだA代表に絡んできていない。前回の2019年アジア杯ではMF堂安律、DF冨安健洋がすでに新生・第1次森保政権の主軸として活躍。現森保ジャパンでは物足りなさを感じる。

 パリ五輪世代はコロナ禍の影響もあり、対外試合の経験が少ない。だからこそ、五輪前にエースの細谷には年代別代表で圧倒的な力をつけてもらいたいところだ。

 このような“飛車角落ち”でも大胆な起用の予想ができるのも第2次政権になり、5年半の積み上げがあるから。「誰が出ても変わらない結果を」と、言葉で表すのは簡単だが、選手個々のレベルアップ、スタッフとの絆、経験、すべてが徐々に力となってきたからこそ、今堂々と言える。

 新たなピースの発掘へ。主力を脅かすニューヒーローの誕生はアジア杯での“課題”にもなり得るだろう。

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