波乱の主役となった東海大仰星、初の選手権4強で味わった守備の差 「王者になるには堅守が重要」

「セットプレーでやられるのは守備が甘いから」

 主将のMF松井修二は、「青森山田はロングスローからのこぼれ球への反応が早かった。あれが相手の強みだったのに、マークが付けなかった」と悔やんだ。

 前半26分の同点ゴールは出色の形から生まれた。ボランチの大崎航詩が左足で右へ絶品のサイドチェンジ。松井が右足ボレーでゴール左隅に決め、あっと言う間に追いついた。勝ち越された後はほとんど決定機を作らせなかった一方で、東海大仰星は後半41分、43分、アディショナルタイムと続いた絶好の同点機をものにできなかった。

 中務監督は決定力の話題よりも青森山田の守備の強さを強調し、「王者になるには堅守が重要。ブラジル・ワールドカップ(優勝)のドイツにしても守備が堅かった」と言って、守りの大切さを学んだことを収穫に挙げた。

 良い攻撃は良い守備から――とは使い古された言葉だが、東海大仰星にしてみれば身に染みたことだろう。

 指揮官が「守備にこだわって新チームを作りたい」と言えば、今大会3ゴールでチームをけん引した松井は、「セットプレーでやられるのは守備が甘いから。後輩にはそこを強くしほしい」とエールを送った。

【了】

河野 正●文 text by Tadashi Kawano

 

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