アジア杯、タイ戦招集の田中碧が“選外”の理由を考察 森保監督が口を閉ざした真相に迫る【コラム】

アジアカップメンバーから外れた田中碧【写真:徳原隆元】
アジアカップメンバーから外れた田中碧【写真:徳原隆元】

アジア杯メンバー26人から田中や鎌田が外れた

 森保一監督率いる日本代表は1月1日、今月12日に開幕するアジアカップのメンバー26人を発表した。サプライズとなったのはMF田中碧、MF鎌田大地の落選となった。その深層に迫る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 26人のメンバーリストに田中と鎌田の名前はなかった。森保ジャパンの常連組として、コンスタントに招集されていた2人だが、アジア杯への切符は掴み取れなかった。森保監督は「1人1人のこと、招集していない選手のことはこの場での話は避けさせていただきたい。招集できる条件の中でベストということでこのグループを作っている。詳しくは話せないが、選手も置かれている状況が違うので、グループの中でも招集していない選手はほかにもいる。チーム編成をするにあたって色々な状況中でベストと判断した」と多くは語らず、招集外の説明をした。

 特に田中は今回の合宿に招集して、タイ代表戦にも先発出場。均衡を破る2024年第1号は田中のゴールだった。存在感を高めたなかでの招集外は異例と言えるだろう。

 では、森保監督の意図は何だったのか。前回のアジア杯からの進化について選手が口にするのが「個のレベルアップ」。レギュラー格の三笘薫、冨安健洋、久保建英、菅原由勢らはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)に出場しているクラブでも主力を張っている。田中は森保ジャパンの主力にはあと1歩というところで所属クラブもドイツ2部で奮闘。そのため、田中含め“Bチーム”のさらなるスケールアップを求めている。

 田中自身もクラブでのステップアップを望んでいる。夏の移籍が成功しなかった昨年9月シリーズでは、移籍についてこう話していた。

「結果仕方がない。自分だけでできるものではないのでアレですけど……正直、こういう時期で評価の受けるタイミングだと思うので、決して昨シーズンに関して満足のいくものではなかった。得点やアシストという意味では1ゴール3アシストくらいしかしていない。だからこそ自分自身でも分かっているし、これからより今までやってきたことプラス、数字を出せればより移籍しやすい。上でやれるチャンスは増えると思うし、手応えがある。今回は残念でしたけど、次に向けて、結構メンタル的にはしんどい部分もありましたけど」

 森保ジャパンでさらなる地位を高めるためにも、今冬も移籍に乗り出す可能性はあるだろう。森保監督の思いを汲み取りつつ、田中自身も選外をポジティブに受け取ってバネにするはずだ。

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