波紋を呼んだなでしこジャパンの“異例パス回し” 賛成派6割超で優勢も…否定派主張「スポーツマンシップを無視」【読者評価】

なでしこジャパン、ウズベキスタン戦の試合展開が話題に【写真:ロイター】
なでしこジャパン、ウズベキスタン戦の試合展開が話題に【写真:ロイター】

26日に行われたウズベキスタン戦での“パス回し”に対する意見を集約

 10月26日に行われたパリ五輪女子アジア2次予選の第2戦、なでしこジャパン(日本女子代表)とウズベキスタン女子代表の一戦が話題を呼んでいる。2-0で日本が勝利したなか、2点先行後にボールを保持し、消極的な戦いに徹した異例の展開が注目を集めた。今回「FOOTBALL ZONE」では、そんな試合後半の“パス回し”について独自アンケート調査を実施した。

 この試合で前半10分、同15分と立て続けに得点し、2点のリードを奪った日本。早々と優位な展開に持ち込んだのち、ボールを圧倒的にキープして無理にペナルティーエリア内まで攻め込まず時間を消費してハーフタイムへ。後半も同様の流れが続き、約75分間の“パス回し”も含めボール支配率は91%対9%という異例のスタッツとなった。

 この背景には、同大会予選のレギュレーションが関係していた可能性が指摘されている。2次予選は3組に12チームが分かれて戦い、各組1位(計3チーム)と2位のうち最も成績の良かった1チームが最終予選に進む。日本が1位で最終予選に進出した場合、仮にA組から2チームが勝ち上がると、1位突破が有力のオーストラリアと対戦となる。

 一方でC組から2チーム進出、日本が1位突破となれば韓国、北朝鮮、中国、タイが同居するB組の1位と対戦に。日本は女子W杯で4強のオーストラリアと対戦するシチュエーションを回避すべく、ウズベキスタンとの一戦では2点差をつけた時点で積極的にゴールを目指さなかった可能性があった。

“パス回し”の決断に賛成が64%、反対の意見が32%

 日本、ウズベキスタンともに積極的な攻撃へ転じなかった75分間について、「FOOTBALL ZONE」でも「今回の日本の”パス回し”の決断に賛成か? それとも反対か?」とアンケートを実施。すると賛成の意見が64%、反対の意見が32%、それ以外が4%という結果になった。

 賛成の意見としては「レギュレーションが悪いのであって、ルールに基づいた試合だった」「オリンピック出場の可能性を高めるために必要な戦術だった」「公式戦は結果が全てなので、予選突破の確率を上げるための決断だと、理解できる」「大会のルール自体を改正する必要があると思う」「なぜ批判を受けるのか疑問」「1番は怪我しないことと疲労を溜めないこと」と、ルール上問題ない点や、選手のコンディション面への利点が挙がっている。

 一方、反対と答えたなかには「傲慢すぎる」「スポーツマンシップを無視している」「予選を通過することも大切だが、ファンやサポーターを飽きさせない、魅了することもプロスポーツの使命」「ファンをバカにしている」「心情察するものはあるが、これをやっていたら日本の女子サッカーの未来は無いと思ってしまう」「結果的に相手側との暗黙の了解で結果を極めたことは八百長と同じ」といった厳しい声も寄せられていた。

 海外でも大きな反響を呼んでいる今回の一戦。パリ五輪本戦へ進めるアジア勢は“わずか2枠”と厳しい条件のなか決断した異例の“パス回し”は、今後予選でどう影響してくるのか。2連勝のなでしこジャパンは、11月1日にベトナムとのグループリーグ最終戦を迎える。

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