J1首位の神戸、終了間際の勝ち越しチャンスを生かせず “4分間”で見えた課題を武藤嘉紀も反省「クロスが多くなり過ぎて…」

湘南戦に出場した武藤嘉紀【写真:徳原隆元】
湘南戦に出場した武藤嘉紀【写真:徳原隆元】

湘南はGK富居が負傷…交代回数上限のため、急遽DF大岩がゴールマウスに

 ヴィッセル神戸は10月28日のJ1リーグ第31節で湘南ベルマーレと1-1で引き分けた。序盤から勢いよく試合に入ってきた湘南に後手を踏む形になったゲームだったが、FW大迫勇也のPKで追いつき、勝ち点1を獲得している。

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 もったいなかったのは、後半アディショナルタイムだ。すでに3度の交代回数を使っていた湘南は、GK富居大樹が相手選手と交錯して負傷して、プレーを続行することができなくなった。急遽、DF大岩一貴がゴールマウスに入ることになったのだ。神戸からすれば本職のGKがいないうえに、数的優位を得るという絶好の得点機だったが、4分間のアディショナルタイムの4分間でシュートを打つことができなかった。

 FW武藤嘉紀は「間違いないですね。(シュートを)打たないといけなかったですし、クロスが多くなり過ぎて、かつクロスの質が伴わなかった。相手のゴールを脅かせなかったのは残念ですし、課題になると思います」と、振り返った。

 大迫は「時間もなかったですし、仕方ないかなと思います」と言い、DF酒井高徳も「工夫のところはもう少しできたかと思います。アディショナルタイムの4分が長いのか短いのかは分かりませんが、そこに行くまでに関わる人が多かったし、ボックス内にも人が何人いるんだという状況でした」と振り返る。

 続けて酒井は「単調な攻撃で崩すのは難しかったですが、大迫とか攻撃の選手とも、『一回目線を変えるのか、勝負して1人はがしていくのか、あるいは3人目だったりオーバーラップだったりを使って相手の目線や体の向きに変化をつけないと、なかなかクロスからシュートを打てないね』と、終わった後に少し話しました。あとはミドルシュートをもう少し早く打つということもあったと思いますが、それを全部4分でやれって言われるのは難しいところがあるので。ただ、何かしら工夫はできたと思うし、残り3試合に生かせることはあると思います」と、時間が足りなかったことを強調した。

 もう1つの課題は、試合の入り方だった。MF山口蛍が今季初の欠場となった影響に加え、J1残留争いを繰り広げている湘南の勢いにも押された。その要因について武藤は「意識の面じゃないですかね。ちょっとアラートじゃない選手もいましたし、最初の5分くらいで2回くらい、かなり相手にとってのビッグチャンスが生まれてしまったので。入りが悪かった。ちょっと気が抜けている選手がいたんじゃないかなと思います。もう少し早くギアを入れなければいけなかったし、相手も守り切れば勝ちだったので、その難しさは本当にありました」と、振り返った。

 それでも同点に追いつくことができて、勝ち点1を確保できたのは前向きにとらえられることだろう。武藤も「今日、勝ち点1を取ったのは、自分たちにとっては悔しい結果ですが、この1が絶対に響いてくると思います。ゼロか1で今日は1が取れたので、切り替えて、残り3戦で勝ち続けないといけない。勝つことでマリノスにもプレッシャーを与えられると思うので、必死になっていきたい」と語った。

 残りの3試合で神戸が対戦するのは、浦和レッズ、名古屋グランパス、ガンバ大阪というJ1優勝経験のある3クラブだ。しかも日程としては3週連続ではなく、ルヴァンカップ決勝と代表ウィークを挟むため、次節は2週後、33節はそのまた2週後と変則的な日程になる。

 武藤は「難しさはもちろんあります。コンディション面でも、練習があって、練習試合も入ってくる。そこでいかにコンディション調整ができるか。かつ怪我をしないかが本当に重要になってきます。とにかく全員で良い雰囲気で練習して、次の浦和レッズ戦に臨みたい。一戦一戦に本当に150%で臨んで、来る相手をなぎ倒していくしかないと思っています」と話し、「今日みたいに最初に失点してしまい、相手のリズムに持っていかれることは絶対にあってはならない」と、この試合の反省を残り試合につなげることを誓った。

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