ザックが母国イタリアサッカー界に警鐘 「凋落の理由は明白に思える」

育成年代から抜本的改革が必要

 ザックの口は、まだ止まらない。
「試合を見れば、10得点のうち8得点がウイングからのクロスによって生まれる。だが、セリエAの試合でそれを見ることは難しくなっている。力強いウインガーとサイドバックの数が減少しているからだ」
 サイド攻撃が主流となっている近年のサッカー界の主役たるウインガーの欠如も、イタリアでは深刻化していると指摘。本来トップ下の本田圭佑がミランで右ウイングを務めていることも、セリエAにおけるウインガー不足の顕在化なのかもしれない。
 さらに、こうも続けた。
「DFはボールを見るだけで、相手の動きにはついていかない。もしも、ストライカーは適切な隙間にポジションを取っていれば、ゴールできてしまう。基本がなくなってしまったら、マルディーニやカンナバーロような選手はもう出てこない」
 イタリア代表のお家芸だった堅守は、セリエAでも、もはや見る影もない。ACミランの偉大なパオロ・マルディーニ、パルマ、ユベントスなどで活躍したファビオ・カンナバーロのような世界的名手の後継者は存在しない。
 とはいえ、特効薬は存在しない。凋落の歯止めは育成年代からとザックは言う。となると、イタリアサッカーの復権にはまだまだ時間が掛かりそうだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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