「自分の国で結果を残したかった」 クラブW杯5年連続出場の日本人DFが抱く悔恨

「僕はこのクラブが好きで家族のような感じ」

 12年と15年の日本開催での過去2大会はいずれもサンフレッチェ広島に敗れた。鹿島との比較を「広島に比べたら鹿島の方が僕たちにはやりやすかったけど、日本人の連動性や上手さ、個人の上手さも鹿島は素晴らしかった」と振り返り、この3回の対戦の中で最も勝利に近づいた一戦をモノにできなかった無念さもにじませた。

「僕、日本で今回が3回目ですけど、また結果を残せなかった。みんなが見てくれるのはここだし、自分の国だし、ここで結果を残したいというのがありました。今回で当分、もしかしたら日本開催がないかもしれない。自分の中では強い気持ちで戦った大会でした」

 オークランドのクラブに深い愛情を示し「僕としてはこのクラブが好きで、家族のような感じ。子どもが生まれた時も、大会期間中なのにすごくお祝いしてくれた。すごく良いクラブだと思っている。僕はこのクラブで引退を考えている。チームが残してくれる以上は、このクラブでプレーし続けたい」と話すだけに、そのクラブの一員として母国での勝利を挙げたかった。

 それでも去り際に、この日本でのゲームを楽しめたのかを問いかけると「そうですね、自分の中では楽しめたなと思います」と、さわやかな笑顔で答えてスタジアムを去っていった。プレーでの後悔はあるにせよ、母国で全力を尽くした岩田はグッドルーザーとしてニュージーランドへ帰っていく。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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