「師匠をまだ超えられない…」 嘆き節のペトロヴィッチは「監督が悪いのではないですか」と自嘲

声を絞り出した指揮官「運とは言わない。呪いが掛かっているわけでもない。ただし…」

 年間勝ち点1位でチャンピオンシップ(CS)決勝から参戦した浦和レッズだったが、第2戦はホームで鹿島アントラーズに敗れ、アウェーゴールの差でリーグタイトルを獲り逃した。浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、憔悴しきった表情で試合後の記者会見に臨んだ。そして、「師匠をまだ超えられないでいるんだという思いでいる」と、ジェフユナイテッド千葉や日本代表を率いたイビチャ・オシム氏の名前を出し、悔しさをかみしめた。

 34試合のリーグ戦で勝ち点74を積み重ねて年間勝ち点1位になった浦和が、同59の3位からCSに進出した鹿島との短期決戦で敗れる形になった。声を絞り出した指揮官は「運とは言わない。呪いが掛かっているわけでもない。ただし、5年間いつも優勝を争っていてリーグ戦が取れない。監督が悪いのではないですか」と、自嘲気味に話した。

 そして、ペトロヴィッチ監督は遠くを見るような表情で「オシム」という言葉を話した。ドイツ語での話が終わり、通訳も兼任する杉浦大輔コーチの口から語られたのは、オーストリアの名門シュトルム・グラーツ時代に自身がアシスタントコーチを務めたオシム氏のことだった。

「私の師匠のオシムさんは、千葉でナビスコカップを取ったが、彼もリーグ戦を優勝していないはずだ。私も今年ようやくルヴァンカップを取ったが、リーグではほんの少し届かなかった。私は、師匠をまだ超えられないでいるんだという思いでいる。何とも言えない気持ちだ……」

 

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