「素晴らしい人間であることを改めて証明」 日本人ファン、W杯敗戦後のスタンド清掃に海外脚光「本当に心が温まる」

日本人サポーターの清掃姿に注目【写真:Getty Images】
日本人サポーターの清掃姿に注目【写真:Getty Images】

日本はスウェーデンに敗れてベスト8で敗退

 スウェーデン女子代表は8月11日、オーストラリアとニュージーランドで共催中の女子ワールドカップ(W杯)準々決勝でなでしこジャパン(日本女子代表)と対戦。2-1で2011年女王を下し、スペインとの準決勝に駒を進めた。そのなかで海外メディアは、試合後にスタンドでごみを拾う日本のファンを称賛している。

 試合は前半32分、スウェーデンがセットプレーから波状攻撃を仕掛け、最後はゴール前のこぼれ球をDFアマンダ・イルステッドが蹴り込んで先制に成功する。

 1点リードで迎えた後半立ち上がり、スウェーデンはコーナーキックからゴール前の混戦で、目の前でコースが変わったボールがMF長野風花の手にヒット。プレーは流れたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言でオンフィールドレビューに。その結果、PKと判定されて後半6分にMFフィリッパ・アンゲルダルが追加点を奪った。

 少しずつ敵陣でのプレー回数を増やした日本は後半23分にMF長谷川唯がペナルティーエリア内まで進出してシュートを放つも枠外。3分後には長野のパスからMF藤野あおばがシュートを放つも相手GKに阻まれた。そして後半29分に植木がドリブルで切り込むと相手のファウルを誘い、PKを獲得。しかし、自ら狙った植木のシュートはクロスバーを直撃して真下に跳ねたもののゴールラインを割っておらずゴールにはならなかった。

 1点が遠い試合になった日本だが、諦めずに攻撃を続けると後半42分にMF清家貴子のクロスがこぼれたところに走り込んだMF林穂之香が蹴り込み、途中出場の2人が絡んで1点を返した。しかし、このままタイムアップとなり、スウェーデンが2-1で接戦を制した。

 そして、試合後には日本のファン・サポーターへ称賛の声が相次いだ。米衛星放送局「FOXスポーツ」のサッカー版公式X(ツイッター)は「日本のファンは、イーデン・パークでの試合後の後片付けを通じて、彼らが素晴らしいサポーターであるだけでなく、素晴らしい人間でもあることを改めて証明した」と投稿。敗戦後にもゴミ拾いに励む日本人を称えた。

 これに他国のファンからも「世界は日本文化をもっと必要としないと」「負けた時にピッチにゴミを捨てるのではなくて掃除するの? 日本のクラブと対戦できたらいいのに」「素晴らしい文化だ」「日本のファンが披露するものは本当に心が温まる」「日本の文化はW杯で最高のものだった」と大会を通して、ロッカールームやスタンドを掃除してきた日本人を称える声が多く挙げられた。

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