PSGの日本ツアー取材のフランス人記者、両国のサッカー記者に感じた“違い”とは?

フランス人記者のエマヌエル・バラングート氏【写真:城福達也】
フランス人記者のエマヌエル・バラングート氏【写真:城福達也】

PSGの全3試合を取材したバラングートゥ氏が見解「我々は非常にハードな質問をぶつける」

 フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)は8月1日、国立競技場でイタリア1部インテルと親善試合で対戦し、1-2で敗れた。PSGは未勝利のまま日本ツアーを終了することになったが、全3試合を現地取材したフランス記者に、日本とフランスの取材の違いについて尋ねると「決定的な差を発見した」と語っている。

 昨季はリーグ・アン連覇を飾ったPSGだが、絶対的エースのFWキリアン・ムバッペが今夏の移籍市場で電撃退団の可能性が浮上していることから、日本ツアーに帯同せず。FWネイマールもコンディション不良のなか、7月25日のポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド擁するサウジアラビア1部アル・ナスル戦で0-0と引き分けると、同28日のJ1セレッソ大阪戦では元日本代表MF香川真司に決勝弾を許し、2-3で敗れた。

 未勝利のままインテル戦を迎えたなか、後半18分にMFビティーニャが強烈なミドル弾を叩き込んで先制点を奪う。しかし、同36分、38分と立て続けに連続失点。1-2で逆転負けを喫し、1分2敗という成績で日本ツアーを終えた。PSGは今回の日本ツアーで、ほかの海外クラブと比べ、最も多い3試合をこなした。現地から取材に訪れた記者も当然、日本で3試合を追ったわけだが、インテル戦後に取材エリアで会話をしたフランス人記者のエマヌエル・バラングートゥ氏に、日本とフランスのサッカー記者の違いについて尋ねた。

「誤解されがちだが、我々は、選手や監督に気さくに質問したり、フレンドリーに接したりすることはほとんどない。そこは、日本人の記者陣と同じなのではないかと思う。ただ、この数日間で決定的な差を発見した。我々のほうが、非常にハードな質問をぶつけるということだ。例えば、この日本ツアーで言えば、帯同していないムバッペの去就について容赦なく尋ねる。『ここにいないということは、つまり、もういなくなるんだよね?』と。もちろん答えてくれないことも多い。ただ、質問をぶつけた時に見せる表情や仕草だけでも、十分に価値がある」

 バラングートゥ氏は、日本人の記者陣の取材を見ていて、徹底して選手・監督やクラブに対して友好的に振る舞っている印象を抱いたようで、フランスの記者陣とは大きく異なる点だと感じた様子だった。

「取材する相手を困らせないように配慮する日本人の記者は、やはり日本人らしいというか、温厚さが伝わってきた」とリスペクトを示しつつ、「ただ、せっかく時間を割いて、ビジネスとしてはるばる取材に来たんだ。時には相手にとって耳の痛い質問をぶつけてみてもいいはずだよ」と見解を述べていた。取材の進め方も、それぞれの国の文化が色濃く映し出されるようだ。

(城福達也 / Tatsuya Jofuku)



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