森保ジャパン「最新序列」、6月シリーズで発掘したい“ポスト三笘” ベテラン谷口&MVP古橋ら復帰組の立ち位置は?

【写真:Getty Images & 徳原隆元】
【写真:Getty Images & 徳原隆元】

正GK候補はシュミット 6人しか招集されていないDF陣ではベテラン谷口が復帰

 森保一監督が率いる日本代表は、6月15日にエルサルバドル代表(豊田スタジアム)と同20日にはペルー代表(パナソニックスタジアム吹田)とキリンチャレンジカップで対戦する。3月にスタートを切った第2次森保ジャパンにとって2度目の活動に向けて、5月25日には26人の招集メンバーが発表された。

 3月シリーズのメンバーからは、9人が入れ替わっている。GK谷晃生(ガンバ大阪)、DF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)、DF橋岡大樹(シント=トロイデン)、DF藤井陽也(名古屋グランパス)、DFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、DF半田陸(G大阪)、MF西村拓真(横浜F・マリノス)、MF田中碧(デュッセルドルフ)、FW町野修斗(湘南ベルマーレ)が外れた。

 逆にカタール・ワールドカップ(W杯)組のDF谷口彰悟(アル・ラーヤン)とMF相馬勇紀(カーザ・ピアAC)の2人が復帰。GK中村航輔(ポルティモネンセ)、MF川辺駿(グラスホッパー)、MF旗手怜央(セルティック)、FW古橋亨梧(セルティック)も再び招集され、さらにJリーグのクラブからはDF森下龍矢(名古屋)、MF川村拓夢(サンフレッチェ広島)、MF川﨑颯太(京都サンガF.C.)の3選手が初招集されている。

 今回はDF登録選手が8人から6人と減少しているため、カタールW杯でも旋風を起こした3バックを試す可能性もある。それでも3月の2連戦では、4-2-3-1がベースになっていたことから、ここでは4-2-3-1の布陣に選手たちを当てはめて、現時点での序列を見ていきたい。

◇    ◇    ◇

<GK>
 まずGKに関しては、カタールW杯のメンバー入りを果たした3選手で唯一残っており、3月シリーズで2試合とも先発フル出場したGKシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)が現時点で正GKに一番近い存在だろう。2番手は、ポルトガルでも評価を高めて2年ぶりに代表に戻ってきたGK中村航輔を挙げたい。GK大迫敬介も広島で正GKとして活躍を続けているが、ロシアW杯でメンバー入りし、欧州の舞台で日常的に戦っている中村はポテンシャル的にもシュミットと正GK争いができる存在で、今回の連戦でもどちらかで試されるのではないだろうか。

<DF>
 2選手が減ったDFでは、3月シリーズから引き続き呼ばれているDF板倉滉(ボルシアMG)、DF伊藤洋輝(シュツットガルト)、DF瀬古歩夢(グラスホッパー)、DF菅原由勢(AZアルクマール)の4選手が序列の1番手候補である。ただし、キャリア初の海外移籍をした谷口が復帰したことで、序列では谷口が1番手、瀬古が2番手という位置づけになりそうだ。スペシャリストが不在の左サイドバックは、所属クラブでもサイドを務める伊藤が入ることになる見込みだが、2試合とも4バックで臨むのであれば、26歳で初招集の森下にも出場機会が与えられそうだ。ただし、3バックにすればMF三笘薫(ブライトン)をはじめ、相馬、川村と左ウイングバックを務めることができる選手も多い。そのため、試合の展開や状況に応じては、カタールW杯でも日本の強みとなったフォーメーションの変更を行うはずだろう。

カタールW杯での三笘のように…第2次森保ジャパンのスーパーサブは誰だ

<MF>
 中盤から前は、カタールW杯に出場した選手たちが核になっている。MF遠藤航(シュツットガルト)、MF守田英正(スポルティング)のボランチ、2列目は右からMF伊東純也(スタッド・ランス)、MF鎌田大地(フランクフルト)、三笘が基本になる。3月シリーズでは十分に試せなかったが、所属するレアル・ソシエダで好調を維持しているMF久保建英をトップ下に置くことがあるかもしれない。ここにMF堂安律(フライブルク)を加えた6選手はクラブでも結果を出している。それだけにポルトガルに渡って右サイドで活躍している相馬、セルティックで評価を高めている旗手といった選手たちでも、彼らの牙城を崩すのは決して簡単なことではないはずだ。

 第2次森保ジャパンでは、三笘が先発になっているため、新たな流れを変えられるスーパーサブを探したいところではある。相馬、旗手、そして3月シリーズでA代表デビューしたFW中村敬斗は、W杯までの三笘のようにこの立ち位置を確保することが、求められるかもしれない。

<FW>
 1トップについてはFW前田大然(セルティック)が引き続き、ファーストチョイスになるだろう。3月シリーズでは、負傷もあってプレーできなかっただけに、今回は必ず起用するはずだ。もう1人の先発の有力候補は、ベルギーで日本人の最多得点記録を塗り替えているFW上田綺世(セルクル・ブルージュ)だろう。今回、招集された選手たちのなかでも、最もポストプレーができそうなタイプであり、この先、チームの軸にしていく可能性もある。セルティックで圧倒的な決定力を示している古橋だが、今回の日本代表のなかでは、最もFWとしての序列は低いところにいるはず。満を持して呼んだ感はあるため、出場機会は与えられるだろうが、とにかくゴールという結果を残してアピールすることが求められる。

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