スコアレスドローの浦和、煮え切らない得点不足への課題 選手が語る光明「新しい問題ではない」「工夫はもう少し必要」

興梠慎三ら、攻撃陣がゴールを奪えずドロー決着【写真:徳原隆元】
興梠慎三ら、攻撃陣がゴールを奪えずドロー決着【写真:徳原隆元】

パスがつながっていればビッグチャンスとなった可能性も

 浦和レッズは5月20日のJ1リーグ第14節アビスパ福岡戦を0-0で引き分けた。ハマり切らない攻撃の解決策は少しずつ光明が見えつつも、その最後のステップでの苦労は浮き彫りになっている。

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 浦和はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝が入ったため、周囲のチームより概ね2試合少ない。そのなかでの16得点は周囲のチームを見渡すと悪い数字ではないが、首位のヴィッセル神戸(28得点)や2位の横浜F・マリノス(26得点)と比較すればどうしても見劣りする。この福岡戦も、決定機でシュートを決めるかどうかよりも、その1つ手前でいかにチャンスを広げて決定機につなげるかの課題が大きく見えた。

 例えば後半の立ち上がりに、背後を取った選手に対するMF伊藤敦樹やMF大久保智明のパスがズレてしまった場面が、ピタリとあってくれば大きな決定機を迎えられただろう。あるいは、交代を繰り出した後にFWホセ・カンテのラストパスをMFアレックス・シャルクが足元に抑えきれなかった場面も非常にもったいないチャンスだったと言えた。同様に、攻撃をスピードアップさせる局面での1本のパスが正確に通ればチャンスが大きく発展しそうな場面でのズレが、どこか煮え切らない攻撃を招いている面もありそうだ。

 マチェイ・スコルジャ監督はその件について記者会見で「そのような場面を映像でハーフタイムに選手たちにも見せた。ファイナルサードで焦れずにプレーすることが足りないのかもしれない」と話す。また、DFアレクサンダー・ショルツも「新しい問題ではありません。長い期間、そこは構築しようとやっているところです。あとはチーム全体として行動していかなくてはいけません。もちろん我々は、守るのは強いチームです。ただし、最後のそこの部分に足りない部分があるのでしょう」と話している。

 この試合でポジションを移しながらもフル出場したMF関根貴大は、そのアシストの1つ、2つ前のつなぎが正確になればという点について「やっていても、そう感じる」と話す。

「僕が左サイドにいる時も、右サイドから左にもっと簡単に展開できれば流れをもっとスムーズにできるシーンもあると思うし、そこで狭い方に行くのもいいですけど、そこの工夫はもう少し必要だなとは思う。スルーパスの1つ前もそうだし、スルーパスもそうだし、そこは今日、本当に合わなかった。ハマれば、ハマるんでしょうけど、あまり深く考えすぎないようにはしたいですね。そういう意味で今日の試合は、裏への抜け出しは多かったんじゃないかなと。走ってはいるので。そこに合えば、もうちょっとゴールに近づけたかなと思います」

 確かに、攻撃を最終局面に向けてスピードアップしようという意図を感じられる場面は増えてきたように見える。あとは、そこで1つ1つのプレーで正確さを出せるかどうか。1つハマれば一気に攻撃が機能しそうな感はあるだけに、そのタイミングをどれだけ早くできるかが最終的にシーズンの行方を左右することになりそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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