「FUJIFILM SUPER CUP 2023」で横浜FMと対戦、一時同点も後半力尽きる

　日本サッカーのシーズン開幕を告げる「FUJIFILM SUPER CUP 2023」が晴天の国立競技場で2月11日に行われ、昨季J2勢として大旋風を巻き起こして天皇杯を制したヴァンフォーレ甲府は、J1王者の横浜F・マリノスに食い下がったものの1-2で敗れた。

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　甲府は昨季、J2リーグ戦では残留争いに巻き込まれるような苦戦を強いられたものの、天皇杯では快進撃。次々にJ1勢を撃破し、決勝戦ではサンフレッチェ広島をPK戦の末に破って初優勝した。その結果、このスーパーカップへの出場権を獲得していた。

　オフシーズンに吉田達磨前監督から篠田善之新監督への交代もあった。このゲームに向け篠田監督は「格上、J1の相手に対して守備の意識から入るのは去年もそういう意図だったと思うし、私もマリノスを相手に守備の整理から入った」と振り返った。前半30分に先制点は許したが、ハーフタイム直前の同点ゴールは甲府の良さが出た。

　相手の縦パスをカットしてDFエドゥアルド・マンシャがドリブルで持ち上がり、右サイドに展開。MF鳥海芳樹の折り返しをFWピーター・ウタカが決めた。この時、マンシャからのパスを途中でMF長谷川元希がわずかに触っていた。それによってオフサイドラインの確認が変化したこと、ウタカがそのパスを避けるようなアクションをしていたこと、さらに、鳥海のポジションがかなりギリギリのオンサイドだったことでビデオ・アシスタント・レフェリー（VAR）の確認やオンフィールドレビューに時間を要したが、一連の攻撃の流れと狙い自体は素晴らしいものだった。

　一方で、後半15分に勝ち越しゴールを奪われてからはなかなか攻撃の回数も増やせず。篠田監督は「攻撃ではボールを握る、相手の背後を取る動きができればと。負けている状況の中で追い付くためにどうするか。攻撃でもう少しギアを上げたいというなか、ボールを奪ってからの部分に課題は見えた。リードされたものを追い付いてひっくり返すような推進力とパワーをチームに植え付けたい」と話した。

　甲府では長年採用されてきた3バックから4バックに変更するチャレンジも行ったうえで、J1王者を相手に際どいスコアの試合に持ち込んだ。「ウタカのクオリティーを頼りにする部分は現状で大きい」と話す攻撃面の改善も含め、J1昇格を目指すシーズンに指揮官は「守備、攻撃、チームのまとまり、すべての面でリーグ戦を戦って勝ち点を取りながら積み上げていかないといけない」と、来週のリーグ開幕戦を見据えた。