「歴史を変えるタイミングはそう多くない」 横浜FM主将・喜田が語った悲願のスーパー杯優勝の意味

横浜FM主将のMF喜田拓也【写真:徳原隆元】
横浜FM主将のMF喜田拓也【写真:徳原隆元】

天皇杯・王者の甲府を2-1で撃破

 日本サッカーのシーズン開幕を告げる「FUJIFILM SUPER CUP 2023」が2月11日に晴天の国立競技場で行われ、昨季J1王者の横浜F・マリノスが天皇杯王者のヴァンフォーレ甲府に2-1で勝利した。6回目の挑戦での初タイトルに、主将のMF喜田拓也は「自分たちが変わっていきたいなら、このタイトルは必要だった」と話した。

 横浜FMは前半から全体的にゲームを支配したものの、ケヴィン・マスカット監督が「前半は満足するレベルではなかった。リスクを背負って前に行くようなことができなかった。切り替えでも前から行けなかった」と振り返ったように、プレーの質が高かったと言えない面があった。

 一方で、ピッチ上の喜田は「すべての面で上げていくべきところはあったけれども、いい意味で『こんなもの』という割り切りもあった。シーズン最初の公式戦で、そういうこともあり得ると。動じないでやることができた」と語る。

 横浜FMらしいパスワークから生まれたFWエウベルの先制ゴールに、際どいオフサイド判定に時間を要した甲府の同点ゴールの1-1で折り返したゲームだが、後半はマスカット監督が「ハーフタイムで映像を見ながら修正した」と話した要素に、全体的に落ち着きが広がっていったなかでプレーの質も高まった。そして、後半15分にMF西村拓真がゴール前のこぼれ球を押し込んで勝ち越すと、残りの約30分間はかなり安定感のある戦いぶりで勝利を手にした。

 これが6回目のスーパーカップ出場だった横浜FMは初優勝。「マリノスがこのタイトルを獲っていないことを知っていたし、なんとしても獲って思いを結実させたいと思っていた。歴史を変えるタイミングはそう多くないと思う。自分たちが変わっていきたいなら、このタイトルは必要だった」と、主将の喜田はこの勝利の意味を話した。

 来週2月18日のリーグ開幕戦は、ここ6シーズンにわたってJ1のタイトルを分け合っている川崎フロンターレといきなりの頂上決戦。喜田は「それをアドバンテージとは考えない」としつつも「緊張感のあるタイトルが懸かったゲームを1試合できたのは大きい」と、前向きに捉えていた。

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