J1王者・横浜FMが“6度目の正直” 天皇杯王者・甲府撃破でスーパーカップ初制覇

決勝ゴールを決めたMF西村拓真【写真:徳原隆元】
決勝ゴールを決めたMF西村拓真【写真:徳原隆元】

1-1で迎えた後半15分、西村拓真が勝ち越しゴールをマーク

 日本サッカーのシーズン開幕を告げる「FUJIFILM SUPER CUP 2023」が2月11日に晴天の国立競技場で行われ、昨季J1王者の横浜F・マリノスと天皇杯王者のヴァンフォーレ甲府が対戦。横浜FMが6回目の出場にしてスーパーカップ初制覇を飾った。

 横浜FMはシーズン開幕直前にして正GK高丘陽平が海外クラブへの移籍を前提とした交渉、準備のために離脱。急遽、昨季限りでヴィッセル神戸を契約満了になっていたGK飯倉大樹と契約した。しかし、このゲームは前日会見でケヴィン・マスカット監督が「オビでいこうと思っている。彼も去年からいい準備をしてきた」と明言していたGKオビ・パウエル・オビンナがスタメンに。他は昨季の主力メンバーが名を連ねた。

 甲府は天皇杯を制した吉田達磨監督が契約満了で退任となり、篠田善之監督の下でのスタート。昨季の大躍進を支えた3バックではなく4-4-2システムで入り、42歳のベテランDF山本英臣や新加入のFWピーター・ウタカがスタメンに名を連ねた。

 これが記念すべき30回目となるスーパーカップは、両者ともシーズン初の公式戦ということもあってかボールコントロールやパスがズレる場面が散見された。スタメン起用のオビンナは前半8分にセットプレーの2次攻撃から飛んできたミドルシュートをファインセーブではじき出した。

 そして先制点は前半30分、横浜FMが右サイドからパスワークでペナルティーエリア内に侵入すると、逆サイドで余ったFWエウベルのところにラストパスが流れていき、冷静にGKとの1対1を決めた。昨季のJ1ベストイレブンにも選出されたウインガーの一撃でJ1王者が先制した。

 しかし前半44分、横浜FMのパスをカットしたところから甲府がショートカウンター。最後はゴール前へのラストパスをウタカが決めたものの、ピッチ上では甲府のカウンターの過程でオフサイドがあったという判定に。ここでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入し、5分近く時間を掛けてオフサイドを確認。最後は荒木友輔レフェリーがオンフィールドレビューを行った末にオフサイドはなかったとしてゴールが認められ、甲府が1-1に追いついて前半を終えた。

 後半も先にスコアを動かしたのは横浜FMだった。後半15分、スルーパスに抜け出したFWアンデルソン・ロペスが左足を振り抜くと甲府GK河田晃兵がわずかに触ったボールはゴールポストを直撃。そこにMF西村拓真が詰めて2-1と再びリードを奪った。

 甲府は選手交代も交えて反撃を狙うも、横浜FMにボールを上手くキープされて攻撃の回数を増やせず。際どいシュートをGK河田ファインセーブしたことで点差は広がらなかったが、ラスト30分間は危なげのない試合展開で横浜FMがこのまま1点差で勝利。6回目の出場にしてスーパーカップの初タイトルを手にして、2023年シーズンに幸先のいいスタートを切った。

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