J1リーグ「若手ブレイク候補」5選 鹿島大卒ルーキーは“満田級”の飛躍も?…注目の逸材厳選
【識者コラム】J1に挑戦する若手5人のブレイク候補をピックアップ
昨シーズンのJ1リーグでは3位に躍進したサンフレッチェ広島のFW満田誠やFC東京でフルシーズン主力を担ったMF松木玖生など、ヤングタレントの躍動が目立ったシーズンでもあった。果たして、2023シーズンは誰がブレイクを果たすのか。大卒・高卒のルーキーやJ2・J3からカテゴリーを上げた選手を対象に、5人のブレイク候補を識者の目線でピックアップし、紹介する。
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■横山歩夢
(FW/松本山雅FC→サガン鳥栖/19歳)
昨季リーグ成績(J3):29試合11得点
ブレイク候補の筆頭に挙げたい選手だ。J3の松本で11得点を記録した気鋭のスピードスターは、松本やU-19代表では2トップの一角を担っていたが、鳥栖で左のサイドアタッカーとして新境地を開拓しそうだ。古巣の先輩であるFW前田大然を彷彿とさせる機動力に加えて、周りの選手を生かし、生かされる繊細さがある。ドリブルにも磨きをかけており、シンプルな縦の突破からカットインしてのミドルシュート、スルーパスなどバリエーションも豊富。「歩夢は速すぎる(笑)」と語るMF堀米勇輝や逆サイドでコンビを組むFW岩崎悠人、MF長沼洋一などと連係が合ってくれば、対策が立てにくい存在になりそうだ。
■師岡柊生
(FW/東京国際大→鹿島アントラーズ/22歳)
大卒ルーキーだが、1つきっかけを掴めば昨シーズンの満田に匹敵するブレイクも期待できる。2トップの一角で突破力や決定力を発揮するが、3トップならウイングから果敢にゴールを狙う仕事がメインになりそう。プロレベルではまだまだディフェンス面や周囲との連係に課題はあるかもしれないが、飛び出すタイミングとゴール前の勇敢さは特筆に値する。「25ゴールポイント(ゴールとアシストの合計)を狙いたい」と語るFW鈴木優磨との関係が高まっていけば、その多くに師岡が絡むことになりそうだ。
■大迫 塁
(MF/神村学園高→セレッソ大阪/18歳)
神村学園で選手権を賑わし、ドイツの名門ボルシアMGに加入したFW福田師王の“相棒”として知られるが、桜のシャツを着て“一本立ち”を果たす期待は高い。視野が広く、独特のタイミングで繰り出す左足のスルーパスは絶品だ。ボランチとして、対人の強さという部分ではまだまだ伸ばす必要はあるが、欧州から復帰したMF香川真司やMF清武弘嗣から直接多くのものを学べる環境は得難い。1つ下にはMF石渡ネルソンという逸材がおり、厳しい競争に揉まれながらセレッソで躍動し、目標である今年のU-20ワールドカップ、来年のパリ五輪につなげられるか。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。