森保監督続投の日本代表が進むべき道は? カタールW杯データから考える“解決策”
【識者コラム】反町技術委員長は「もっと能動的なサッカーを目指す」と目標を明言
日本サッカー協会は2022年12月28日に緊急記者会見を開き、日本代表の森保一監督が続投(サッカー的に言えば「続蹴」だろうか)すると発表した。
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森保監督は会見で、今後上積みしたい点として「ボールを握りながらゲームをコントロールする、ゲームを決めにいける」ことと語った。また、反町康治技術委員長も「もっと能動的なサッカーを目指す」という目標が示された。
だがこの概念的な話だけでは、どれくらい日本が向上しなければいけないのかという定量的な課題は明確にならない。そこでカタール・ワールドカップ(W杯)のデータを基に、日本の現在地を明らかにしておく。
そのカタールW杯では、不思議な現象が起きた。日本が圧倒的に攻め込まれたドイツ代表戦、スペイン代表戦では勝利を収め、圧倒した(ように見えた)コスタリカ代表戦は敗戦、互角に近い戦いができた(と思える)クロアチア代表戦は引き分けに終わったのだ。
それだけカウンターが決まったと言えるのだが、今回の森保監督、反町委員長の話にあるとおり、今後日本はドイツやスペインが日本に対して行ったように試合を支配し、そして勝てるようにならなければいけない。
ドイツとスペインに関しては立場が逆とまでは言わないまでも、せめて同等になるくらいのデータを目指すというのが必要になるだろう。そして今回、国際サッカー連盟(FIFA)が公表した各試合の公式データを基に日本の4試合を振り返ると、想像以上に厳しい日本の実像が浮かび上がってくる。
森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。