久保建英の秘めた可能性をFC東京の関係者5人が証言 「自分の存在を言葉でもプレーでも表現できる」

FC東京U-18中村忠コーチの証言

 当時U-15むさしの監督として、久保が帰国した直後から指導してきた中村コーチは「最もすごいのは、すぐに輪の中に入っていけるパーソナリティー。年上、年下、関係なく話しかけたり、突然パッと入って一緒にプレーできたりしてしまう。溶け込むのは本当に早かったですね。それに、目を見て大人と会話ができる。ありがちな決まった答えではなく、自分の言葉を持っていた」と振り返る。

 ピッチの中では、試合を決定づける場面でフィニッシュまで持って行く力や、フィニッシュのタイミングを逃さない力が図抜けていた。鍵になる試合やポイントとなる試合では、決まって彼が得点した。

 今後の課題には、利き足の左とは逆足でのボール扱いや、守備戦術を学ぶことなどが挙げられる。ただし、中村コーチは「彼はそれが分からないのではなく、ちゃんと理解している」という。左足でゴールを決めたあと、「右足だと決められないのか」と問いかけると、次の機会では右足でゴールネットを揺らす。

 「ちょっと皮肉を言ったりすると、すごく負けず嫌いなので、ちゃんと有言実行する。そういう部分は『こいつ、持ってるな』と思いますね。自分の存在を言葉でもプレーでも表現できる。日本人では珍しい」

 久保には「将来どうありたいか」というしっかりとしたロードマップがすでに存在している。同じ時間を共有してきた中村コーチも、それをひしひしと感じていた。

「口にはしないけど、世界ナンバーワンの選手になりたいのだと思う。建英の場合、そういったとしても、ビッグマウスに思われない。周りに『建英はそれを目指しているんだろう』とごく自然に、違和感なく思われているところがすごい」

 

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