久保建英の秘めた可能性をFC東京の関係者5人が証言 「自分の存在を言葉でもプレーでも表現できる」

今季、飛び級でFC東京U-18に昇格。最短で10月16日の富山戦でJリーグデビューも

 FC東京U-18のFW久保建英が、9月16日までにトップチーム登録されるとスポーツ紙などで報じられた。川崎フロンターレジュニアを経て、11年9月にバルセロナ下部組織に入団した俊英は順調に成長。しかし、バルセロナが18歳未満の外国人選手獲得の際に違反があったとして、下部組織の選手も公式戦出場が認められず、15年5月にFC東京U-15むさしに加入した。

 現在、15歳の中学3年生ながら飛び級でFC東京U-18に所属し、U-16日本代表としてU-16アジア選手権出場(2016年9月15日~10月2日)のためインドに遠征中。同大会後、最短でのJリーグ出場(J3のFC東京U-23を含む)は10月16日のJ3・富山戦と見られる。この試合でプレーすれば15歳4カ月での出場となり、カテゴリーはJ1とJ3で異なるとはいえ、川崎フロンターレ所属の森本貴幸が04年の東京ヴェルディ時代に残した15歳10カ月の最年少出場記録を塗り替える。

 着実に成長を続ける久保は、今や“東京五輪の星”としても期待される逸材だ。日本の将来を担うタレントの今に迫るとともに、FC東京の関係者5人の証言から知られざる若武者の実像に迫る。

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 少し着せられた感のある大きめの学生服姿は、まだあどけなさが残る。だが、ひとたびピッチに立つと、その印象はがらりと一変する。

 久保建英はゲーム中、いつも右に左に首を振り続ける。ピッチ上の敵味方の位置を確認し、状況を把握する。そうした情報を取り入れ、最適解を瞬時に判断しようとする。それが習慣化していることに、まず驚かされる。繊細なタッチでボールを扱い、そのプレーからはゴールへの明確な道筋が見て取れる。「そこが見えていたのか」と、思わず見ほれてしまうほどだ。

 教えることができない発想力や、それを表現する技術力を兼ね備える。相手の嫌なところにクッと入り込み、二手、三手先を考えてボールを置く。良いトラップをするだけではなく、わざと相手が食いつきそうな所に置いて、出てきたところをトンと浮かしてかわしてしまう。

 そのプレーには、遊び心が満載だ。サッカーが楽しくて仕方がないという思いを形にできる。それほど羨ましいことはない。

 周囲の選手たちも「タケ」とその名を連呼し、自然とそこに視線が集まる。少なくとも今の彼は、転がるボールに愛されている。

 

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