ところがそんな思惑は、入会を取り仕切るシニア・アドバイザーのソフィー・スワロー女史に「会員募集はどのように行っているのか？」と最初の質問を浴びせた瞬間、水泡に帰してしまった。   「現在、ダイヤモンドクラブの会員募集は行っていません。単純にメンバーの空きがないんです。しかも、現段階でメンバーのウェイティング・リストが10年先まで埋まっています。そういうわけで、入会金がいくらかということにもお答えできません。それは会員の空きができてから“時価”ということになりますね」   つまり、先に結論を言ってしまうと、噂のVIPラウンジ、アーセナルの『ダイヤモンドクラブ』は、需要と供給という商売の原則を超え、もうすでに一般の手には届きようがない、真のステータスシンボルとなっていたのである。