いまだ1ゴールのバロテッリ 根深い悩みは解決されずチームはスコアレスドロー

「チャンスは遠くに消えてしまった」

 リバプールは24日、プレミアリーグ第9節でハル・シティをホームに迎え、0-0の引き分けに終わった。
 
 イタリア代表FWマリオ・バロテッリを最前線に置いた4-3-3システムで臨んだリバプールだったが、序盤からハル・シティの堅い守りを崩せず、スコアレスで前半を折り返した。しかし、後半15分にイングランド代表リッキー・ランバートと、ブラジル代表フェリペ・コウチーニョを投入し、4-4-2システムへとシフトすると、前線が活性化した。前半鳴りを潜めていたバロテッリは、ランバートとの2トップを形成したことで負担が軽減され、孤立状態が解消。チームにも流動性が生まれたが、得点にはつながらず、後半アディショナルタイムに再三の決定機を迎えるも0-0のスコアレスドローで試合終了となった。
 
 リバプールのブレンダン・ロジャーズ監督は試合後、「パフォーマンス的にはわれわれは最高だった。特に後半は際立っていた。週中に厳しい試合があったにもかかわらず、選手から勝利への執念が伝わってきた。われわれは勝者にふさわしかった」と振り返った。
 
 先日行われた欧州チャンピオンズリーグ・グループステージ第3節では、レアル・マドリードに0-3と大敗したばかりだった。その直後にもかかわらず、攻勢を仕掛けたチームの精神力を指揮官はたたえた。
 
「ゴールが生まれるのは時間の問題に見られた。われわれは多くの決定機を作った、19本シュートを放った。選手にこれ以上を要求することはできない。彼らは全てを出し切ったのだから」
 
 指揮官は失意のドローにも選手たちを責めなかった。だが、今季ACミランから移籍後、公式戦1得点という物足りない結果と、運動量の少なさでも物議を醸しているストライカーには厳しい言葉を発した。試合終了間際にこの試合最大の決定機を外したバロテッリについては、言葉に失望感を込めてこう言及した。
「彼こそ残念がっているだろう。あのクロスは完璧なボールだった。彼は大振りして、チャンスは遠くに消えてしまった」
 
 レアル戦では前半のみの出場に終わったバロテッリだが、ハル・シティ戦ではフル出場を果たした。しかし、前半は改善の見られない運動量の少ないプレーに終始。後半はランバートのポストプレーに助けられ、チャンスに絡む機会が増えた。だが、最大の決定機を外してしまい、勝ち点2を失ってしまう結果となった。
 
 「バロテッリを外せ」
 
 メディアやクラブOBからそのような声が日に日に大きくなっている中、ロジャーズ監督は、粘り強く、このイタリアの青年を信じてピッチに送り込んでいる。
 
 なかなか期待には応えられず、これで加入11試合わずか1得点。元リバプール主将を務めた、ジェイミー・キャラガー氏が「パニック・バイ」の烙印(らくいん)を押すなど、バロテッリのアンフィールドにおける未来には黄色信号が灯ったままだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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