なぜレアルは35回目のリーガ優勝を果たせたのか 現地記者が勝因に挙げた“3人衆”は?
【スペイン発コラム】レアルがリーガ35回目の優勝、ライバルたちの取りこぼしも追い風に
レアル・マドリードが4月30日に行われた本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのリーガ・エスパニョーラ第34節でエスパニョールを下し、35回目のリーガ優勝をサポーターの前で決めた。
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エスパニョール戦のキックオフは現地時間16時15分。20度を超える生暖かい空気も、開始1時間前に突然の雹(ひょう)混じりの雷雨に見舞われたことで、観戦に適した程よい気候となった。キックオフ直前には、中井卓大が所属するフベニールA(U-19)による国王杯優勝トロフィーのお披露目や、クラブの名誉会員であるテニスプレーヤーのラファエル・ナダルによる始球式が行われ、あとはトップチームのリーガ優勝の瞬間を待つのみとなった。
第34節開始前、2位FCバルセロナとの勝ち点差を15に広げていたレアルは、あと勝ち点1を獲得すれば優勝決定という状況だったため、サポーターの顔に不安の色はまったくなかった。すでにパレードの準備がされているという報道もありチケットは早々に完売し、スタンドには優勝の瞬間を生で見ようとする約6万人の観衆で超満員となった。
レアルは4日後に決勝進出が懸かるマンチェスター・シティとの重要なUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝第2戦を控えていたため、カルロ・アンチェロッティ監督は大幅なローテーションを実施し、主力選手を多数休ませた。
対するエスパニョールは残留をほぼ確定させ、欧州カップ戦出場権獲得の可能性もほぼない状況。エースのFWラウール・デ・トマースが試合前に「引き分けは僕たちにとってもレアル・マドリードにとってもいいものになると思う」と語ったように、互いにそこまで熱くなることなく穏やかな雰囲気の中でゲームは進んでいく。レアルは前半にFWロドリゴが2ゴール、後半にMFマルコ・アセンシオとFWカリム・ベンゼマが得点を重ねて4-0の圧勝を飾り、2シーズンぶり35回目の優勝を最高の形で成し遂げた。
レアルがほとんど苦しむことなく優勝した大きな要因として、ライバルたちの取りこぼしが挙げられるだろう。バルセロナは特に序盤に躓き、昨シーズンの王者アトレティコ・マドリードはシーズンを通じて安定せず、セビージャは今年に入りアウェーゲームを苦手としていた。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。