70代も元気にプレー、老若男女が楽しんで健康増進 話題の「ウォーキングサッカー」とは?

連盟とクラブチームで普及に心血を注ぐ柴田宗宏さん。右は吉野弘一さん【写真:河野 正】
連盟とクラブチームで普及に心血を注ぐ柴田宗宏さん。右は吉野弘一さん【写真:河野 正】

64歳、加入3年目の主婦も「初めは不安でしたが、面白くて辞められなくなりました」

 日本ウォーキング・フットボール連盟は、Jリーグ東京ヴェルディの前身である読売サッカークラブ創設時のメンバーを中心に17年4月に設立された。

 理事長の桑田丹さんは15年、変形性股関節症で人工関節となったため医師からサッカーを禁止された。そこで歩くサッカーに着目すると、望外に楽しめたことから、普及を念頭に読売クラブ時代の僚友らに声を掛けて連盟を設立。会長の河野慎二さんはヴェルディ川崎で副社長などを歴任し、副会長の柴田宗宏さんは、読売クラブ発足1年目から選手兼コーチとして強化に携わり、現場の総責任者を務めた。ともに東京Vで指揮を執った小見幸隆、松木安太郎の両元日本代表は教え子でもある。

 柴田さんは連盟業務の傍ら、さいたま市のエルフ・フロインデ・スポーツクラブ理事としても、身を砕いて普及活動に熱を入れる日々だ。「今はたくさんの人に関心を持ってもらい、競技者を増やすことに努めています。特にサッカー経験のない人をどれだけ取り込めるかが、今後を占ううえでも重要なポイントです」と、未経験者の開拓が焦点になるという。

 フルコートがきつくなればフットサルに転向する人もいるし、歩くくらいならサッカーを断念する経験者も出てくる。ならばサッカー経験のない人を介し、ウォーキングサッカーの魅力を広めようと考える。

 エルフで唯一の素人、64歳の尾花美代子さんはネット検索でクラブの存在を知り、単身参加した加入3年目の主婦だ。「初めは少し不安でしたが、やってみたら面白くて辞められなくなりました。体を動かすだけでなく、試合で勝ったり負けたりするところが余計に楽しくなりますね」と出会いに感謝する。

河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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