70代も元気にプレー、老若男女が楽しんで健康増進 話題の「ウォーキングサッカー」とは?

「エルフ・フロインデ・スポーツクラブ」の歩くサッカー愛好者【写真:河野 正】
「エルフ・フロインデ・スポーツクラブ」の歩くサッカー愛好者【写真:河野 正】

78歳も意欲「80歳以上のチームに入っても上手にプレーしたい」

 年齢や性別を問わず、誰もが生涯スポーツを楽しむ環境整備がエルフの活動理念だ。浅井重夫代表は、日本リーグの日立製作所に10年在籍した元日本代表候補で、日立と日本代表などで監督を歴任した高橋英辰さんが82年に創設した3、4種年代のロク・フットボールクラブでも代表と監督を長年務める。

「天然芝でできるのは浅井さんのおかげ」と言うのは、エルフで最年長78歳の小石淳さんだ。「これから80歳以上のチームに入っても上手にプレーしたい。このサッカーの魅力は、子どもから年配者までが楽しめることです」と話し、初期メンバーである73歳の野坂英司さんは「ここに来るのが楽しみでしょうがない。なごめるし健康にもいいですね」と毎週金曜日の活動を待ちわびる。

 65年に創設された埼玉県最古の少年団、北浦和サッカースポーツ少年団で山田直輝(湘南ベルマーレ)や矢島慎也(大宮アルディージャ)らを指導した吉野弘一さん、Jリーグ97試合で主審を務めた元国際審判員の濱名哲也さんらも在籍し、純粋に新競技を楽しんでいる。

 日本ウォーキング・フットボール連盟では18年2月、東京都内で8チーム、約100人を集めてペンギンズ・カップを開催。連盟によると日本初の大会とみられ、第5回大会が昨年末に行われた。昨夏には、なでしこリーグのオルカ鴨川の協力を得てペンギンズ・カップ交流会を千葉市内で実施するなど、精力的に草の根運動を展開中だ。同連盟には首都圏を中心に鹿児島や広島、新潟などの14団体、4個人が加盟し、地道に友好の輪を広げている。

 栃木県、宮城県、大阪府の各サッカー協会が昨年主催した体験会、講習会は好評を博したそうで、福島県南相馬市のはらまちクラブは、18年から「ウォーキングサッカー全国交流会in福島Jヴィレッジ」を主催し、全国から大勢が集まる。

河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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