70代も元気にプレー、老若男女が楽しんで健康増進 話題の「ウォーキングサッカー」とは?

相手が保持するボールを奪えないのが、ウォーキングサッカーの最大の特長だ【写真:河野 正】
相手が保持するボールを奪えないのが、ウォーキングサッカーの最大の特長だ【写真:河野 正】

日本で「ウォーキングサッカー」の競技者が増加、英国では愛好者6万人の人気競技

 走らずに歩いてプレーする「ウォーキングサッカー」は、日本ではまだ馴染みのないスポーツだが、ここ数年で競技者が徐々に増え始め、交流会や体験会などを通じて少しずつ認知されてきた。日本ウォーキング・フットボール連盟では競技人口の拡張と全国組織の確立を目指し、日本サッカー協会とも連携しながら普及活動や基盤づくりに向けて知恵を出し合っている。

 日本協会によると高齢者の健康増進のため、2011年7月にイングランドで行われた様式がウォーキングサッカーのルーツとされる。同国では約6万人の愛好者を抱え、チームも1000を超えるほど幅広い層から支持される人気競技だ。

 日本協会は16年から体験会などを試験的に行い、19年までの4年間にわたって講習会や交流会を重ねた末、年齢や性別をはじめサッカー経験の有無などに関係なく、障がい者であっても一緒に楽しめるスポーツであるとの結論を出した。

 ウォーキングサッカーが健康寿命の延伸や生きがいの発掘、地域コミュニティーの活性化などに寄与すると考え、誰でも安心して気軽に参加できるよう日本協会では「非接触」といって、相手ボールを奪い取る行為を禁じ手とする日本独自のルールを提案した。

 同協会が推奨する主な規則は、(1)歩いてプレーする(早歩きは可)、(2)接触禁止、(3)ヘディング禁止、(4)スライディング禁止、(5)キックはグラウンダーが基本で、浮き球なら頭かゴールの高さまで、というように老若男女が怖がらずに参加できるローカルルールを採用したのだ。

 このほかオフサイドはなく、フリーキック(FK)はすべて間接とし、フィールド選手はゴールエリアに入れず、GKはゴールエリアから出てはいけない。人数は6対6で、試合時間は7~10分ハーフが一般的だが、5対5や7対7、10~30分ハーフなど今は統一規定を策定せず、楽しむことを優先してもらおうと参加者の年齢やレベルに合わせて柔軟に運営している。

河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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